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小麦の特徴

2015.04.28

投稿者
クミタス

ライ小麦


先日、「アレルギーチェッカー」ユーザーさんが投稿画像にもあったのですが、ナショナルブランドのパン(芳醇テーブルロール 十二穀入り 5個)にライ小麦が含まれていました。

ライ小麦は、ライ麦とデュラム小麦の交配種で、ライ麦の耐倒伏性、耐寒性、やせた土壌でも育ちやすい面と小麦の性質をもちます。

小麦のたん白質


小麦粉にはもともとたん白質が含まれ、栄養成分のうち6~15%を占めます。
小麦に含まれるたん白質は、プロライン(グリアジン)、グルグルテリン(グルテニン)、アルブミン、グロブリンになり、小麦粉に水を加えてこねるとグリアジンとグルテニンが結合し、グルテンが形成されます。
グルテンはグリアジンとグルテニンから構成されていますので、小麦アレルギーの場合は、グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリンがアレルゲンとなります。
グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリンの構成比としては、グリアジンが40~50%、グルテニンが30~40%、グロブリンが6~10%、アルブミンが3~5%と、グリアジンが最も多く、グルテンは小麦のたん白質の80%ほどを占めることになります。

小麦にアレルギー反応がある場合、小麦グルテン(グリアジンとグルテニン)だけがアレルゲンになるわけではありませんが、中でもω-5グリアジンが最も頻度の高いアレルゲンとなり、小麦アレルギーの方の内、84%がω-5グリアジンに陽性となっているという報告があります。
運動誘発アナフィラキシーにおいては小麦が原因物質の約6割を占め、ω-5グリアジンの陽性率は成人にいては90%以上とも言われています。

参照) https://www.alp-grp.jp/wp-content/uploads/2010/11/no02.pdf

アレルギー検査では、小麦、グルテンに陰性であっても、ω-5グリアジンが陽性であれば小麦アレルギーを疑う、小麦、グルテンが陽性でもω-5グリアジンが陰性の場合は、食物負荷試験をおこないアレルギーかどうかの判断材料とする、といった指導も行われていることと思います。
ただ、加水分解小麦の経皮・経粘膜感作によるアレルギーの場合は、ω-5グリアジンへの特異的IgE陽性率はグルテンへの特異的IgE陽性率より低く、また運動誘発アナフィラキシーにおけるω-5グリアジンの陽性率は20歳未満の患者では陽性率約50%との報告もあります。
 

ω-5グリアジンに似た成分が含まれる他の穀物


ω-5グリアジンは難消化性タンパク質で、体に吸収されにくいたん白質です。
難消化性タンパク質は、小腸で吸収されにくく、大腸で脂肪を巻き込み排出される性質があるため、人によっては腸に刺激となることがあります。
ω-5グリアジンは、セリアック病の方にとっては、小腸上皮内にリンパ球浸潤を伴うなど絨毛の萎縮をもたらし、症状誘発の原因物質となることがわかっており、尋常性乾癬患者さんの中でも悪化要因となる方がいます(他要因もあります)。

ω-5グリアジンと似た物質は、他の穀物にも含まれます。ライ麦にはセカリン、大麦にホルデイン、オーツ麦のアベニンがそうで、ω-5グリアジンがアレルゲンであれば、セカリン、ホルデイン、アベニンもアレルゲンとなるということではありませんが、セリアック病の場合はこれらも原因物質になり得ます。
 

小麦粉の中での違い


小麦は粒が堅いほどたんぱく質が多く含まれており、普通の小麦の中で「硬質小麦」、「中間質小麦」、「軟質小麦」の順にたん白質の量が少なくなります。そして「硬質小麦」からとれた小麦粉を「強力粉」、「中間質小麦」からとれた小麦粉が中力粉、「軟質小麦」からとれた小麦粉が「薄力粉」となります。
たん白質の含有率は、強力粉が11.5~13.0%、準強力粉は10.5~12.5%、中力粉は8.5~10.5%、薄力粉は7~8.5%になります。

ω-5グリアジンは小麦の外皮により多く存在するため、中心部を粉にした小麦粉であれば症状が出にくい場合があります。
小麦粉は小麦の中心部を粉にしているほどたん白質が少なくなり、外側に含まれる灰分が少なくなります。
小麦粉のグレードは、灰分値によって分類されており、0.3~0.35%のものは特等粉、0.35~0.45%のものは1等粉、0.45~0.65%のものは2等粉、0.7~1.0%のものは3等粉、1.2~2.0%のものは末粉となります。
小麦から小麦粉にする率を歩留まりと言いますが、歩留まり40~45%のものが特等粉、60~65%のものが一等粉となることになります。
強力粉においては特等粉は1等粉に比べてグルテンが11%ほど少なくなります。
 

デュラム小麦の特徴


デュラム小麦は、普通の小麦とゲノム構成が異なり、普通系小麦とクラブ小麦は異質6倍体(AABBDD)であるのに対し、デュラム小麦は異質4倍体(AABB)になり、染色体が普通小麦やクラブ小麦の42に対して28と少ない小麦になります。この28の染色体の小麦は他にポーランド小麦、リベット小麦があります。

また、普通の小麦のグルテニンは一方向の繊維状であるのに対し、デュラム小麦のグルテニンは網目状、リボン状であるという特徴があります。

小麦粉によっても症状の強弱が異なるのも、小麦や小麦粉による違いが1つの要素になることもあります。
 

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