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食物と急性汎発性発疹性膿疱症

2024.02.14

投稿者
クミタス

薬剤の重大な副作用には中毒性表皮壊死融解症(toxic epider mal necrolysis:TEN)やスチーブンス・ ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS)があり、急性汎発性発疹性膿疱症 (AGEP きゅうせいはんぱつせいほっしんせいのうほうしょう)も挙げられます。
急性汎発性発疹性膿疱症 (AGEP)は、高熱(38℃以上)、紅斑、「赤くなった皮膚上に小膿疱(小さな白いブツブツ)が出現、全身がだるい、食欲減退などの症状が持続したり、急激に悪くなったりするとみられています。
原因物質としてはペニシリン系・マクロライド系・セフェム 系抗生物質、キノロン系抗菌薬、イトラコナゾール(抗真菌薬)、 テルビナフィン(抗真菌薬)、アロプリノール(痛風治療薬)、 カルバマゼピン(抗てんかん薬)、ジルチアゼム(降圧薬)、アセトアミノフェン(鎮痛解熱薬)などの医薬品が多くを占めますが、食物が原因となる場合もあります。

68歳女性。幼少期に複数回ウルシ、ギンナンによる重度の接触皮膚炎の既往あり、以後カシューナッツ、マンゴー摂取により全身に紅斑,膿疱を生じたエピソードがあった。インドカレー店にて飲食した 6時間後に体幹、四肢に浮腫性紅斑を生じ、3日後に発熱とともに 背部、大腿に毛孔非一致性の小膿疱が多発した。経過、臨床像より食物により発症した急性汎発性発疹性膿疱症, 全身性接触皮膚炎を考えた(出典・参照:小松田恵理子, 石河 軌久 (大曲厚生医療センター), 新田悠介, 河野通浩 (秋田大) 食物による急性汎発性発疹性膿疱症, 全身性接触皮膚炎の1例)。

急性汎発性発疹性膿疱症においては、薬剤が原因である場合、薬剤の服用後数時間後~1週間以内に発症し、原因医薬品の中止で症状改善することが多いとみられています。 受診の際には薬剤の種類や名称(商品名、一般名)、服用からどのくらいの時間が経過したかなどを、医師に伝えられるのが望ましいでしょう。

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