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過敏性肺炎のケースから

2023.09.28

投稿者
クミタス

加湿器の貯水タンクやフィルターに細菌やカビが発生していて呼吸器症状を生じることがあり
加湿器と呼吸器症状
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2386 
羽毛布団を使用していて、鳥類の羽毛や腸管由来のムチンを含む排泄物由来タンパク質が主な原因抗原となり、発熱、咳、労作時呼吸困難などを生じることがありますが
鳥関連過敏性肺炎~羽毛布団が原因となることも
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3011
今回は、加湿器の継続稼働下で羽毛布団を新調して以降呼吸器症状が出現するようになった例を掲載します。
 
生来健康な10歳女児。新型コロナウイルスの感染予防として自室で加湿器を継続稼働させていた。羽毛布団を新調した頃より咳が出現し、喘息として治療されたが改善乏しく、呼吸困難のため日常生活に支障を来すようになり受診。聴診で両側下背部に捻髪音が聴取され、胸部CTで両肺の広範囲に小葉中心性のすりガラス陰影を認め、過敏性肺炎が疑われ入院。入院による抗原回避と酸素投与で症状は著明に改善した。鳥関連過敏性肺炎が疑われ、鳥関連製品の撤去を行い退院したが、翌日症状が再燃し、退院3 日目に増悪したため再入院した。加湿器・空気清浄機の撤去後の自宅への試験外出、試験外泊では症状の再燃なく,臨床的に加湿器肺と診断された(出典・参照:清宮優香 齋藤千穂 永嶋早織 鈴木徹臣 田中文子 空気清浄機・加湿器が原因として疑われた過敏性肺炎の10歳女児例)。

上記のケースでは羽毛布団を新調し多量の羽毛が出てくるようになり、羽毛布団など鳥関連製品や羽毛の付着している可能性のあるソファ、カーペットの撤去などをおこなったが症状再燃し、加湿器・空気清浄機の撤去、児の部屋のエアコンの新調等の自宅の環境整備を再度行った後、症状の改善が見られた、と報告されています。使用されていたのは超音波式加湿器で、1シーズンに1回のフィルター交換や掃除は行っていたものの、使用シーズン中の定期的な内部の洗浄は行われておらず、加湿空気清浄機については,購入後1年未満の新しいものであったためタンクの水の交換のみで本体内部の洗浄は行われておらず、内部は肉眼的に可視できるほどの汚染を認めていた、との記述もなされていますが、推奨されているメンテナンス内容を確認の上、定期的な洗浄ができると良いかもしれません。

Author クミタスさん

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