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経口摂取以外の免疫療法の例~ピーナッツ

2018.04.14

投稿者
クミタス

食物アレルギーにおける経口免疫療法は、早期に耐性獲得が難しい方において寛解を目指すものでもありますが、摂取を続ける過程で摂取可能量を増やし、脱感作状態を維持することで微量での反応リスクが低減し得る面もあります。ただ、経口免疫療法の過程で、摂取量の設定、進め方などによっては軽微ではない症状が出現することもあり、また摂取可能量が下がる場合もあります。
経口免疫療法の導入が困難な方、有効でない方への選択肢の1つになる可能性が検討されているものに、食物抗原を装填したパッチ剤を皮膚に貼り付け、皮膚経由によりおこなう経皮免疫療法もありますが、鼻腔粘膜経由による食物抗原の免疫療法についての研究報告もなされています。

ピーナッツタンパク質に感作し、ピーナッツによる皮膚のかゆみ、呼吸器症状などのアレルギー症状のあるマウスの鼻腔内に、ナノエマルジョン(NE)アジュバントと一緒にピーナッツタンパク質を3回投与したところ、Th2サイトカイン活性の低下、IgE値の低下が見られ、ワクチンの最終投与2週間後時点でピーナッツによるアレルギー症状が見られなかった。
ナノエマルジョン(NE)アジュバントとの粘膜吸収による有効可能性を示唆するものでもあり、どのくらいの期間、効果が持続するか、などが今後明らかになり、ヒトでの有用性があるようであれば、選択肢の1つになるようになるかもしれません。

出典・参照:Nanoemulsion adjuvant–driven redirection of TH2 immunity inhibits allergic reactions in murine models of peanut allergy 

重症アレルギーと経皮免疫療法
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2353

アレルギーにおけるアジュバントの作用
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2693

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