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クルミ(くるみ)によるアレルギー

2017.09.04

投稿者
クミタス

クルミはカシューナッツとともにアレルギー表示推奨20品目の1つであり、ツリーナッツの中でもアレルギー症状のある方が比較的多い食物でもあります。

クルミのアレルゲン


クルミは食用となる品種は多くありますが、品種によりアレルゲンが異なる可能性があり、現在までにアレルギーを起こすと考えられているJuglans regia、Juglans nigraの中では、以下アレルゲンなどが考えられています。

Juglans regia
・LTP(脂質輸送蛋白質):Jug r 3
胃に存在する消化酵素のペプシンで分解されにくく、熱耐性があり、全身症状を伴い重症化する可能性があります。
・2Sアルブミン:Jug r 1
他のナッツや豆、穀類に共通して含まれるタンパク質で、分子が強い結合で結ばれた安定構造であり、消化されにくい可能性があります。
・7Sグロブリン(​7Sビシリン様グロブリン):Jug r 2
熱耐性があり全身症状を起こしやすくアレルギー反応を引き起こすアレルゲンとなる可能性があります。
・11Sグロブリン:Jug r 4
熱耐性があり全身症状を起こしやすいアレルゲンで、2Sグロブリン、7Sグロブリンと同様に種子貯蔵タンパク質になります。
・PR-10:Jug r 5
熱や消化酵素により抗原性が低減しやすく、花粉症、花粉感作に伴い症状出現する場合があります。

Juglans nigra
・2Sアルブミン:Jug n 1
・7Sグロブリン:Jug n 2

上記の中で、2Sアルブミン:Jug r 1 においては、クルミアレルギーを診断する上での有用性が示唆されています。
クルミのアレルゲンの中での有用性
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3414

クルミアレルギーの症状


クルミによるアレルギーにおいては、アレルゲンにより口腔内の痒み、口唇・眼瞼の腫れ、咽頭浮腫等が主な症状のOAS(口腔アレルギー症候群)、全身症状、アナフィラキシーショック、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの場合があります。
また、クルミには重金属の1つのニッケルが含まれ、金属アレルギーの方でニッケルに反応する方においては、摂取により症状出現する可能性もあります。以下報告などもありますが、またアップデートしていきたいと思います。

塗料等を削り飛ばす用途で使用されるクルミ殻粉の吸引とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2370

出典・参照:食物アレルギー診療ガイドライン2016 ほか

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