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クラゲ摂食によるアレルギー

2017.08.14

投稿者
クミタス

クラゲによるアレルギーにおいては、クラゲに刺傷して症状出現する場合、クラゲを摂食して症状出現する場合があり、それまでにクラゲ刺傷の経験のない方での摂食による症状出現も見られています。
クラゲへの反応についてはこちらでも掲載していますが、
クラゲによる反応について
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/824
今回は、クラゲを摂食してアレルギー症状が出現するケースについてお送りします。

アレルゲンについて


食用にされているクラゲには、根口クラゲ目ビゼンクラゲ科のビゼンクラゲ、エチゼンクラゲ、ヒゼンクラゲ、根口クラゲ目タコクラゲ科のタコクラゲ、またキャノンボールクラゲ、ホワイトクラゲ、チラチャップクラゲがあります。

クラゲ刺傷によるアレルギーにおいては、クラゲが標的を刺す際に産生するポリ-γ-グルタミン酸(ポリガンマグルタミン酸(PGA))に感作した方によるアレルギー症状出現等が考えられています。
クラゲ摂食によるアレルギーにおいては、クラゲ刺傷により感作しクラゲを摂食した際にアレルギー症状が出現するケース、クラゲ刺傷の自覚がなくクラゲ摂食によりアレルギー症状が出現するケースが見られています。

クラゲの種類と反応


食用にされているクラゲの中で根口クラゲ目のタコクラゲ、ビゼンクラゲ、エチゼンクラゲでの症例が見られており、一方でこれらに陽性の場合でもキャノンボール、ホワイトクラゲなどで陰性の場合もあり、クラゲの種類等によりアレルゲンや反応が異なる可能性もあります。

14歳男児。クラゲ刺傷の既往なしと自覚しており、半年に1回の頻度でクラゲを摂食していたが症状の自覚なし。
タコクラゲ約100gを摂食して5分後に吐き気、喘鳴、呼吸困難、全身紅斑が出現。
後日のプリックテストでは、タコクラゲ、ビゼンクラゲ、エチゼンクラゲは陽性で、キャノンボール、ホワイトクラゲは陰性。
ポリガンマグルタミン酸(PGA)のプリックテストは陰性。

12歳男児。クラゲ刺傷の既往なしと自覚しており、数回クラゲを摂食していたが症状の自覚なし。
タコクラゲ入り巻きずし摂食後、部活動中に咽頭痛、呼吸困難、顔面浮腫、充血、鼻汁・鼻閉、喘鳴出現。
後日のプリックテストでは、タコクラゲ陽性、根口クラゲ目イボクラゲ陰性。

48歳男性。ダイビングが趣味でクラゲ刺傷の既往あり。クラゲ摂食によるアレルギー症状出現の自覚あり。
クラゲ摂食6時間後に蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐出現。
後日のプリックテストではビゼンクラゲ、エチゼンクラゲは陽性で、旗口クラゲ目のミズクラゲは陰性。

35歳女性。プロダイバーで様々な海洋生物による刺傷歴、全身性のアレルギー様反応の既往あり。
クラゲの冷菜を食べた20-30分後に嘔気,嘔吐,全身のかゆみ,皮疹出現。
SDS-PAGEによる分析にてコラーゲンがアレルゲンと推察。

それまでにクラゲ刺傷の自覚がない場合でもクラゲ摂食によりアレルギー症状が出現する場合があり、摂食するクラゲの種類や刺傷歴によりアレルギー反応有無や程度に違いがある可能性もありますが、クラゲを摂食して症状出現した場合は、アレルギー反応である可能性もありますので、呼吸器症状などがある場合は速やかに受診できるようにしましょう。


納豆アレルギーについて
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1481

出典・参考:タコクラゲ摂取によるアナフィラキシーを起こした14才の男児例(横浜南共済病院)
クラゲ(タコクラゲ)経口摂取によるアナフィラキシーの1例(国立病院機構神奈川病院小児科、秦野赤十字病院小児科)
ビゼンクラゲ科クラゲの経口摂取によるアナフィラキシーショックの1例(神戸市立医療センター中央市民病院、神戸海星病院 ほか)
クラゲによるアレルギーの1成人例(昭和大学医学部内科学講座呼吸器アレルギー内科学部門 ほか)

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