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アレルギーSTORY

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できることから取り組むことの大切さ

2018.02.10

投稿者
しるく

Author しるくさん

神奈川県内在住。30代後半のワーキングマザー。アレルギーに関する情報収集を幅広く行いながら、代替食品選び、代替食作り、未経験の食物の摂取など様々なことに取り組んでいます。

アレルギー症状のある人:4歳息子
アレルゲン:小麦、大麦、卵、牛乳、アーモンド、一部の魚卵、ゴマ、そば、ダニ、ハウスダスト。小麦は3歳の時にアナフィラキシーを発症したことがあり、エピペンを保持。軽度のアトピー性皮膚炎あり。

アレルギーの知識不足による後悔

 
息子は生後2か月から乳児湿疹が良く出ていました。母乳中心で粉ミルクを時々使用していましたが、当時の育児記録を振り返ると、粉ミルクを飲ませた後に湿疹が悪化していました。3か月健診時に皮膚科の受診を勧められ、診てもらうことに。ジュクジュクした湿疹は1歳頃まで続きました。
 
一方、生後7か月頃にパン粥で蕁麻疹を起こし、全身が腫れあがりました。慌てて近隣の市民病院を受診したところ、アレルギーの可能性と、パン粥に含まれていた「小麦、牛乳を1歳まで除去した方が良い」との指示のみを受けました。当時通っていた皮膚科にも相談し、除去を続けました。
 
しかし、インターネットでの情報収集を経て、生後すぐに湿疹のケアを始めなかったことを悔やみ、このまま待つだけで良いのか、食物アレルギーの専門医を受診すべきではないかと悩みました。そして11か月の時に自治体実施のアレルギー相談を知り、簡易な血液検査を受けたところ、小麦、卵白、牛乳の陽性が判明。これを機に、1歳過ぎにアレルギー専門医のいる現在の病院に転院しました。

食物経口負荷試験へのチャレンジ

 
転院後、卵白と牛乳の食物経口負荷試験を今までに2回ずつ実施しました。
1歳3か月時、初めての食物経口負荷試験では卵白は計8.6gで蕁麻疹を発症。牛乳は飲み進めるうちに嫌がり始め、計17.5mlで蕁麻疹が出ました。
 
その後、医師の指導のもと2年間自宅での微量摂取を続け、2歳7カ月の2回目の食物経口負荷試験では、卵白は計20gを問題なく食べられました。ただし、牛乳は計10mlで身体に大きな蕁麻疹ができ、咳も出てしまいました。1回目の食物経口負荷試験以降、複数品目の継続摂取の難しさもあり、卵白はほぼ毎日の食事として与えていましたが、牛乳を与える頻度が少なかったことが、2回目の食物負荷試験に影響したのだろうかと考えています。
 
さらに1年経過した現在は、15分茹でた卵白20g、牛乳3mlまで食べられるようになり、卵白は一部の加工品(ちくわなど)も試してよいという許可が出ました。

血液検査の結果だけで判断せず、未摂取の食物を試す

 
0歳の頃はふりかけ等に含まれる少量のゴマを意識せずに食べさせており、発症したこともありませんでしたが、1歳頃のアレルギーの血液検査でゴマがクラス4とわかりました。医師からは、週に1~2回摂食してよいとの指導を受けましたが、卵白、牛乳の継続摂取との並行では管理しきれず、一時期はゴマをほとんど食べさせなくなってしまいました(現在は努めて食べさせています)。
 
ゴマの経験から、未摂取の食物でも血液検査で数値が高い場合は、除去または摂取量を制限されるため、本来は問題なく摂取できる可能性のある食物を容易に試しにくくなると感じました。現在は、未摂取の食物は血液検査を受ける前に自宅で少量ずつ食べさせ、万一発症した場合は改めて血液検査を受けることにしています。
 
これまでも入園前、入学前にいろいろ食べさせておきたいという思いから、様々な食材を試してきました。初めてのものを食べさせるときは、食物経口負荷試験での進め方を参考に0.1gまで計測できるスケールで量り、時間を計って与えるようにしています。増量ペースについては医師にも相談し、初めて食べるものについては1/4ずつ増やして様子をみながら進めています。
 
また最近は、代替食のお菓子等に使われやすい食物も試し始めています。アーモンドミルクは10mlで蕁麻疹が出てしまいましたが、ココアやココナッツは問題なく食べることができました。

自分ができることをやること、これからの生活に思うこと

 
息子が時々「みんなと同じものが食べたいなぁ」と言うことがあります。米粉めんや市販の代替食品などを使ったり、様々なレシピを調べて代替食を作ったりすることで、少しでも食の楽しみが経験できるように工夫することは自分自身の学びにも繋がっています。
 
食物アレルギーが原因で、内定した保育園から復帰直前に入園を断られたこともあります。幸い、現在はアレルギーに理解がある保育園に通っていますが、今後の進学等でも様々な課題にぶつかることを覚悟し、さらなる情報収集を重ねています。
 
また、地域の子ども会で買い出し係の役員を務めることで、地域の繋がりを広げるとともに、できるだけみんなと同じおやつが食べられるように工夫しています。多品目のアレルギーを持つことで集団活動が制限されることもしばしばありますが、自分達でできる限りのことはやり、「できること・できないこと」を示すことで、社会や組織からも歩み寄っていただけたらと感じています。

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