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ノロウイルスについて

2015.09.09

投稿者
クミタス

ノロウイルスへの感染を1度は経験しているという方、何度か経験しているという方も少なくないかと思います。

なぜ繰り返し感染するのか?


ノロウイルスの感染防御には腸管のIgA抗体が主要な役割を担っていますが、半年程はその効力が持続すると言われていますが、それ以上の期間に有効かは諸説あります。
同じ遺伝子型に感染した場合で、IgA抗体の効力が持続している場合は、前回よりも症状が軽症化する可能性はあります。
ただ、繰り返し同じ遺伝子型に感染するとは限りませんし、IgA抗体の効力がどの程度持続するかは個人差もありますので、乳幼児から高齢者に至るまで何度でもノロウイルスに感染し、食中毒も繰り返し起こり得ます。

ノロウイルスの主要遺伝子型に大きな動き


2015年は、ノロウイルスの主要遺伝型に大きな動きがあり、2014年12月まで主要遺伝型を占めていたGII.4が減少した一方、新たにGII.17 (GII.P17-GII.17、GII.17 Kawasaki variant)が主要遺伝型に転じています。
主要遺伝型の入れ替わりは、2006年にも発生して以降の大きな変化で、今までにノロウイルス感染をした方でも、まだ感染したことが無い遺伝子型である場合もあり、さらなる感染拡大や、症状が強く出る可能性が示唆されています。

この、ノロウイルスGII.17変異遺伝子型は、中国などアジア諸国でも検出数が著しく増加しており、アメリカでも散発的に検出されているとのことですので、渡航時にも留意したいところです。

また、ノロウイルスの検出については、2008年以降、簡易検査キットの導入が進んでいますが、簡易検査キットでは、ノロウイルスGII.17変異遺伝子型は陰性になりやすく、ノロウイルス感染をしていても結果に表れにくいと言われています。

出典・参考:国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/norovirus-m/norovirus-iasrs/5913-pr4274.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/id/1023-disease-based/na/norovirus/idsc/iasr-in/5695-kj4233.html

異なる遺伝子型であっても、予防策としては同様に、まずは手洗い、うがいになります。
便や吐物から空中に浮遊したノロウイルス粒子を吸い込んだ場合にも、感染する可能性がありますので、ノロウイルスの患者さんが多く利用されている病院のトイレを使用する際は、留意するのも良いかもしれません。アルコールでの除菌は有効ではなく、完全に防御はできませんがマスクはしないよりはした方が良いでしょう。
外食時に感染したのでは、と思い当たる場合もあるかもしれません。まずは食中毒と病院での診断があった上でになりますが、同席者も同様の症状がある場合で原因を特定したい場合などは、何を食べたかレシートなども控えて早めに保険所に相談するところからになるかと思います。

ノロウイルスと血液型の関係


ノロウイルスの遺伝子型によっては、ヒトの血液型によって感染しやすい場合があるとの報告があり、ノーウォーク類似株ではO型、A型の人は感染するが、B型の人は感染しない、スノーマウンテン類似株ではB型、A型の人は感染するがO型の人は感染しないとの示唆があります。

参考:
https://www.thpa.or.jp/index.php?q=content/content/magazine20120202
ノロウイルスと血液型抗原

家庭での消毒についてはこちらにも記載しています。
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/859

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