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大麦のアレルゲンと小麦以外にグルテン形成する穀物について

2015.08.11

投稿者
クミタス

小麦に含まれるたん白質は、グリアジン、グルテリン(グルテニン)、アルブミン、グロブリンなどが代表的で、小麦粉に水を加えてこねるとグリアジンとグルテニンが結合し、グルテンが形成されます。
そして、古代小麦も含めた様々な品種の小麦においても、グルテンを形成します。
小麦:スペルト小麦、カムート小麦、ファッロ小麦、エンマー小麦、アインコルン小麦、デュラム小麦、ヒトツブ小麦
また、小麦麦芽もグルテンが含まれるものとされています。

小麦以外でグルテンを形成する穀物


グルテンというと小麦の話が多くなりますが、他にグルテンを形成する穀類としては、大麦、ライ麦、ライ小麦、そしてこれらの麦芽も挙げられます。
一方、グルテンを形成しない食物は以下等になります。
グルテンを形成しない食物:そば、とうもろこし、ハト麦、ヒエ、アワ、キビ、キヌア、アマランサス、米、ソルガム、ワイルドライス、テフ、大豆、エンドウ豆、レンズ豆、キャッサバ、ごま、アマニ、麻、ホップ、マスタード、じゃがいも

オーツ麦(オート麦)そのもの自体はグルテンを形成しないのですが、オーツ麦に小麦が混入する可能性があるため、オーツ麦を含む商品はグルテンが含まれないとは言えない面があります。
また、大麦麦芽はグルテンを含むものとされますが、大麦麦芽エキスにグルテンが含まれるとは言えない場合もあります。

大麦のアレルゲン


大麦にはホルディンを含め以下などがアレルゲンと考えられています。
・α-アミラーゼ/トリプシンインヒビター(Hor v 15)
・α-アミラーゼ(Hor v 16)
・β-アミラーゼ(Hor v 17)
・ホルディン(Hor v 20)
・脂質輸送タンパク質 LTP(Hor v 14)
・プロフィリン(Hor v 12)

小麦のアレルゲンの1つ、ω-5グリアジンと似た物質としてはライ麦のセカリン、大麦のホルデイン、オーツ麦のアベニンが該当し、セカリン、ホルディンはω-5グリアジンと交差反応をすることが示唆されています。

ω-5グリアジンは食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因物質の1つと考えられており、そのため、ω-5グリアジンがアレルゲンの方等は、大麦、ライ麦の摂取においても、食物依存性運動誘発アナフィラキシーが起こり得る可能性がありますので、以前から大麦、ライ麦を摂取した後に不調がある方、疲労時の摂取と運動(歩行や入浴含む)には留意頂くとよいかと思います。

また小麦、大麦、ライ麦のトリプシンインヒビター間で、交差反応を示すとの意見もあります。

このようにどの物質にアレルギー反応を示すかにも依りますが、ライ麦と大麦間、小麦、ライ麦、大麦間での交差反応性があるとの示唆はあり、小麦アレルギーの方の中で、ω-5グリアジンがアレルゲンである方や、小麦にアレルギー症状がある方の場合、ライ麦、大麦にアレルギー症状の出る場合があり、大麦にアレルギー症状がある場合、小麦、ライ麦にアレルギー症状が出る場合もあります。
ただし、小麦にアレルギー症状があるから、大麦にもアレルギー症状があるとは限りませんので、食べてみてどうか、を確認いただくのが望ましいです。

特定の植物間では、脂質輸送タンパク質を含む植物間で交差反応をすると考えられており、とうもろこしの脂質輸送タンパク質は、米、桃の脂質輸送タンパク質と交差反応を示し、小麦、大麦の脂質輸送タンパク質とは交差反応を示さない、とも言われています。

しかし、交差反応性があるとされているものにおいても、症状が出るとは限りませんので、心配だからとして症状がないうちの除去をおこなうのではなく、ごく少量から食べてみて反応があった場合に対処するのが望ましいでしょう。

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