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クラゲによる反応について

2015.08.04

投稿者
クミタス

クラゲに刺されたて体が反応する際、クラゲの持つ毒への薬理作用反応の場合とアレルギー反応の場合があります。

クラゲ刺傷(クラゲ螫症)


いわゆるクラゲ刺されのことになります。
症状:激痛の後、点状、紅状の紅斑とじんま疹様皮疹が出現し、皮下出血、壊死を伴ったり、筋肉痛、発熱、寒気、嘔吐、悪心ショックを起こすことがあります。
症状程度は、クラゲの種類や個人によっても差があります。

原因となるクラゲ:カツオノエボシ,アンドンクラゲ,アカクラゲ、シロガヤなど
注意したい時期、時間帯:最近では早い時期から海水温度が上昇するようになりました。種類にもよりますがクラゲは海水温度が上昇するようになるころから浮遊するものが増え、生育したクラゲが8月ごろから多く海中に上がってくるようになり、干潮、満潮の間の潮の流れが滞った時間帯に海面に浮上してきます。浅瀬にいる際にはクラゲの存在を確認できると望ましいです。

対処:早期に刺胞(針)や毒素を海水で洗い流すのが有効。触手が皮膚に付いた状態でも刺胞(針)を発射していなければ、影響程度を抑えられる可能性がありますので、素手で触らないようにして、ピンセットなどで刺胞が抜けるようだと尚望ましいです。
水で洗い流すと浸透圧の影響で刺胞が発射されやすくなりますので、水では洗い流さないようにしましょう。
また打ち上げられて干上がりつつあるクラゲも素手で触らないようにしましょう。
受診する科:ショック症状がある場合は救急、皮膚症状が中心の場合は皮膚科
治療:ショック症状以外は抗アレルギー薬とステロイド外用薬

クラゲ刺傷から日数を経て症状出現するケースも


クラゲにのみみられる特徴というわけではありませんが、刺傷した後日にクラゲ毒成分を抗原とするアレルギー反応を起こす可能性があります。

報告例1:クラゲ刺傷による皮疹は刺傷5日後に消退したが、刺傷1週間後より再び刺傷部の発赤腫脹と微熱が出現し、さらに刺傷23日後より刺傷部以外の広範な部位に皮疹が出現した35歳女性例
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004830807

報告例2:23歳の男性と27歳の女性はクラゲ接触直後に皮疹を生じ2~3日で消退したが、1例は6日後、1例は8日後に再燃し、紅斑、小水疱を生じた
https://ci.nii.ac.jp/naid/10019106349

これは、皮膚内に残存した抗原に対するアレルギーの成立に期間を要する(6~15日ほど)ことで生じるとも考えられています。

複数回の刺傷によるアナフィラキシー


よく2回目以降に刺傷すると重症化すると言われますが、初回刺傷し抗体が成立した後(6~15日後など)に再び刺傷をすると、症状が強く出る場合があります。
ただ抗体ができない方や抗体ができる前の期間に再び刺される場合にも、過剰に反応する場合があります。1度目よりも強く症状が出ることがありますので、嘔吐、悪寒、喉閉塞など異変を感じた際は受診をするのが望ましいところです。

クラゲを食べて食物アレルギー症状が出る場合も


クラゲの種類により、アレルギー症状出現有無が異なるようですが、クラゲ摂取後に酸素レベル低下、顔面の浮腫、眼球結膜充血、鼻汁、鼻閉、呼気性喘鳴といった症状が出たとの報告もあります(出典・参照:クラゲ(タコクラゲ)経口摂取によるアナフィラキシーの1例)。

クラゲ刺傷歴がなくクラゲへの食物アレルギー症状が出現する場合があります。

ほかの海水浴後の皮膚炎


海水浴をしていてチクチクと皮膚に刺激を感じ、痒みを伴うものとして、海水浴皮膚炎も挙げられます。

海水浴皮膚炎
症状:水着の中にプランクトンなど原生動物の幼虫(主にコメツキガニの幼虫のゾエア)が入り込むことで、チクチクしたり主に腰や臀部に痒みの強い3~5mmの赤い小丘疹が複数できます。
対処:すぐに水着を脱ぎ皮膚を水で洗い流す
受診する科:皮膚科
治療:抗アレルギー薬とステロイド外用薬
注意点:比較的おだやかな海に見られますが、広く生息していますので、水着の中がしつこく痒い場合は我慢せずに着替えるのも良いかと思います。

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