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古代米②~香り米はなぜ香りがするのか?

2015.05.21

投稿者
クミタス

香り米とは

香り米も古代米の1つで、品種改良をおこなっていないものもあり、香り米としては、「ジャスミンライス」が有名ですが、インドやパキスタンの「バスマティ」があります。
バスマティ、ジャスミンライスは長粒種系でインディカ種になり、日本の一般的な米は短粒種のジャポニカ種、そして日本にも中粒種系の香り米があります。ジャスミンライスはタイ米の中でも一部のお米で高級米とされています。
日本の香り米は、高知県や宮城県で「ヒエリ」、「さわかおり」、「みやかおり」、「はぎのかおり」などが栽培されており、バスマティ、ジャスミンライス同様にポップコーンの香りと表されています。

バスマティ370と日本の標準的なうるち米の「日本晴れ」と掛け合わせた「サリークイーン」、サリークイーンとさらに日本のうるち米を掛け合わせた「プリンセスサリー」があり、サリークイーン、プリンセスサリーとも長粒種とされていますが、それほど粒は長くなく、日本の米の食感を併せ持つ米になります。
他にもインディカ米と日本の米を掛け合わせた米はありますが、日本の米作りと比べると同面積内での収穫量が少なくなり、また品質が安定しないこともあるなど、量産されてはいません。
 

香り米の香りの成分


ジャスミンティーは、緑茶や白茶の茶葉にジャスミンの花の香りを吸収させたり、香料を添加されているものになりますが、ジャスミンライスなど香り米の香りは米に含まれる成分の2-アセチル-1-ピロリンが主となり、米や稲から香ります。2-アセチル-1-ピロリンの含有量は、ヒエリよりもバスマティやジャスミンライスの方が2倍近く多く含まれていいます。2-アセチル-1-ピロリンはパンダンリーフにも含まれていたり、またワインの製造過程でも発生し、だだちゃ豆にも含まれており、香ばしいような、やはりポップコーンのような香りです。

香り米はそうでない米と比較すると、遺伝子構造に違いがあり、香り米はベタインアルデヒド脱水酵素を作る遺伝子の一つ、BADH2の中で変異をおこしており、代謝経路が変化することで2-アセチル-1-ピロリンが蓄積され香りが放出される米となるとの報告が成されています。
また、ジャスミンライスは、塩を含む土壌で自生していた稲で、その稲を、香り米でない米が良く発育する土壌で育てようとしても香りが芳香な米にはならなかったりするのですが、ジャスミンライスは塩分に強い品種である方が、香りが強いとも言われています。

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