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ひえ、あわ、きびについて

2015.05.05

投稿者
クミタス

きび、あわ、ひえはイネ科植物になり雑穀に分類され、アマランサス、キヌアはヒユ科の疑似雑穀になります。
ソルガムは、「きび」の一種の「たかきび」のことで、コーリャン、もろこしとも呼ばれます。ホワイトソルガムは、「白たかきびの実」のことになります。

もち種とうるち種の違い


米、大麦、あわ、きび、高きび、とうもろこし、はと麦、そしてひえ、アマランサスに、もち性とうるち性があります。

もち性の方がうるち性よりも粘性、甘さがあり、でん粉質の構成に違いがあります。
品種や栽培地域、精白程度によっても差がありますが、うるち性の米、とうもろこしの貯蔵澱粉は20%前後のアミロースと80%前後のアミロペクチンとの混合、そして、あわ、きび、ひえもほぼ同様になります。

うるち性のみ存在が確認されている小麦、じゃがいも、そしてタピオカ澱粉、サゴヤシ、ユリ根も大体20%前後のアミロースと80%前後のアミロペクチンとの混合になります(品種や栽培地域、精白程度によっても差があります)。

もち性の米、とうもろこし、ひえ、あわ、きびの貯蔵澱粉はアミロペクチンのみからなり、アミロースを含みません。
あわ、きび、ひえにおいて日本で流通する商品の多くはもち種になり、きびのもち種は「もちきび」で、「こきび」とも呼ばれ、「いなきび」が「もちきび」を指すこともあります。
最近のうるち米はコシヒカリはアミロースが15%ほどと低くアミロペクチンの比率が高く、もち米化している傾向にあります。

はと麦の多くは、もち性になり、大麦は皮麦の六条大麦、はだか麦にもち性がありますが、もち性はだか麦には、アミロースが2~9%含まれます。

雑穀のたん白質


小麦同様、米のたん白質もアルブミン、グロブリン、プロラミン、グルテリンから構成されます。

小麦:種子中たん白質含有率6~15%
アルブミン3~5%、グロブリン6~10%、プロラミン(グリアジン)40~50%、グルテリン(グルテニン)30~40%

米:種子中たん白質含有率約8%
アルブミン4~10%、グロブリン4~10%、プロラミン20%、グルテリン60~70%前後

米はグルテリン比率が高く、米のグルテリンはオリゼリンで、プロラミンが少ないのが特徴であり、米はプロラミンが少ないほど良味と考えられています。

雑穀の研究は小麦ほど行われているわけではないため、分析方法によっても構成比率は異なりますが、以下報告があります。

ひえ:種子中たん白質含有率9.9%
アルブミン、グロブリン計5%、プロラミン24%、グルテリン10.5%

あわ:種子中たん白質含有率10.9%
アルブミン、グロブリン計5%、プロラミン64%、グルテリン13%

きび:種子中たん白質含有率11.5%
アルブミン、グロブリン計3.6%、プロラミン80%、グルテリン12.1%

それぞれのアミノ酸組成の特徴としては、以下になります。

ひえ:リシン(リジン)を含め、たんぱく質含有量が比較的少ない雑穀になります。

あわ:グルタミン酸、アラニン、ロイシンの含有率が高く、リシンが著しく低く、スレオニンも低めで、うるち性、もち性での違いはありません
リシンは「そば」に多く含まれます。

きび:ポリペプチド構成はグルテリン以外のアルブミン、グロブリン、プロラミンで、あわ、たかきびと、とてもよく似ています。

ひえ、あわ、きびのたん白質もアルブミン、グロブリン、プロラミン、グルテリンから構成されておりますが、穀類は基本的にプロラミンが高い傾向にあり、ひえ、あわ、きびもプロラミンが主たん白になります。
あわ、きびのプロラミンは、とうもろこしのプロラミンであるゼインの構成と似ているとの意見があり、とうもろこし同様あわのシステインプロテアーゼインヒビター活性が高く熱安定性があるとの報告もあります。
たん白質構成は小麦、米とは異なり、ひえ、あわ、きびは単純なポリペプチドの重合体が多くを占めていると言われています。

穀類のなかでもそれぞれに違いや共通点があり、まだ明らかになっていない点もありますが、米や小麦の代替食ともなる、ひえ、あわ、きびにも、アレルギー反応を示す場合はありますので、試す場合は少量から進められるのが良いかと思います。

参照:
https://www2.pref.iwate.jp/~kiri/infor/theme/2000/pdf/H12-39-protein.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsproc/225/0/225_0_290/_pdf
https://www.kawasaki-m.ac.jp/soc/mw/journal/jp/2006-j16-1/04_kozai.pdf

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