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表示上は判別がつかない乳化にがりについて

2015.04.17

投稿者
クミタス

にがりは、海水から塩を製造する過程で得られる、主成分が塩化マグネシウムの食品添加物であり、「粗製海水塩化マグネシウム」または「粗製海水塩化マグネシウム(にがり)」と表記されるものでもあります。豆乳を固形化し豆腐にするうえでは欠かせないものですが、粗製海水塩化マグネシウムに人工処理を加えた、乳化にがりを使用した豆腐が多く流通しています。

乳化にがりは、にがりを乳化剤や油でコーティングしてあるもので、塩化マグネシウム42%、植物性油脂28.42%、水28%、グリセリン脂肪酸エステル1.5%、ミックストコフェロール、ビタミンCパルミテートといった成分から作られた合成添加物です。

もともと塩化マグネシウムは早く豆腐を固形化することができるため、そのスピードの中で均一な固形化に対応する技術が必要であり、また高温での使用では塩化マグネシウムがさらに早く反応するため豆腐の形が不安定になりやすく、70℃くらいまで冷ましてから塩化マグネシウムを使用していたのに対し、乳化にがりは塩化マグネシウムをグリセリン脂肪酸エステルや植物油脂でコーティングしている分、固形化スピードを抑えられ、80℃ほどでも使用できるため、容易に効率よく豆腐を大量生産することができます。
 

表示上は違いがない


注意しておきたいのは、乳化にがりを使用していたとしても、食品表示上は、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)を使用しているものと何ら違いがない点です。

乳化にがりの成分が、塩化マグネシウム、植物油脂、水、グリセリン脂肪酸エステル、ミックストコフェロール、ビタミンCパルミテートであったとしても、食品表示上は、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)、とのみ表記すれば問題がありません(加工助剤は表示が免除)。

実際に味覚上の違いを感じられるか、ですが、乳化にがりは若干甘さがある、後味にえぐみが残る、といった意見もあるようですが、表示の違いがないため、食べ比べようが難しいですね。
中には「乳化にがり不使用」、「乳化剤不使用」とパッケージに記載している商品もありますが、表示に違いを見いだせるようにしていきたいですね。


ちなみに、豆腐を長持ちさせたいときは、パックのまま鍋に沸かした熱湯に1~2分漬けるか、電子レンジで1分加熱した後に冷蔵で、消費期限内であれば2~3日長持ちするとのこと。
豆腐の容器素材を見て判断してみてください。

https://www.tofu-as.jp/tofu/howto/07.html

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