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服によってチクチク、痒くなる方は

2015.03.08

投稿者
クミタス


衣類によって皮膚がチクチクしたり痒くなる方はいらっしゃるかと思います。それは繊維の太さや形状が関係しているかもしれません。様々な要因がありますが、今回は皮膚刺激と繊維の太さや形状についてお送りします。

繊維の太さ


まずチクチクの要因として繊維の太さが挙げられ、繊維の太さが0.03mmを超える繊維が5%以上入ってると、チクチクという違和感を感じるとも言われおり、0.025mm前後の太さの繊維において30%未満の方がチクチク感じ、10%未満の方が我慢できないほど不快に感じたとの報告もあります。

各繊維の太さ

・ウール 0.013mm~0.05mm
メリノー羊毛は大体0.23mmくらいまでと細いものになりますが、一般的なウール繊維は0.24mm~0.42mmになります。
糸にする際は繊維を束ね、毛糸は大体0.069~0.32mmになります。

ヘアー
山羊科
・カシミヤ 0.012mm~0.02mm
パシュミナは0.013mmほどになります。ネパール産パシュミナはカシミヤ繊維にシルクが織り込まれています。

・モヘヤ 0.024mm~0.05mm
ベビーの毛は細いものになります。

ラクダ科
・キャメル 0.015mm~0.024mm

・アルパカ 0.023mm~0.028mm

・ヴィキューナ 0.01mm~0.014mm

ウサギ科
・アンゴラ 0.012mm~0.014mm

・麻 0.008mm~0.05mm
リネン繊維は0.015~0.02mm、ラミー繊維は0.02~0.08mm
糸にする際は繊維を束ねて大体0.09~0.375mmになります。

・木綿 0.012~0.028mm
糸にする際は繊維を束ねて大体0.04~0.099mmになります。

・絹 0.01~0.018mm
糸にする際は繊維を束ねて大体0.03~0.048mmになります。

・ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン(合成繊維)0.001mm~
タイツは10デニールで0.035mm

・金属繊維(ステンレス、銅など)0.025mm以下 
しわやドレープを表すのに金属繊維が織り込まれている衣類もあります。

・人工皮革繊維 0.00035~0.0035mm 

参考)髪の毛の太さは0.07~0.08mm

敏感に反応する方は、繊維自体の太さが0.025mm以上か、を1つの目安に衣類を選択するのも良いかと思います。

また、太さのある繊維で作られた衣類には、花粉やダニ、ほこり、動物の毛、繊維、人のフケ、カビなどの粒子が付着しやすいため、これらにアレルギーのある方は、着脱時に吸引したり家の中になるべく持ち込まないよう、心がけるのも良いでしょう。

繊維が細いほど肌触りがよい面がありますが、細い繊維のくずを吸引し咳が出る場合もあります。摩擦を経て細かい繊維くずが多く抜け落ちるようになった衣類、寝具が咳の原因になる場合もありますので、ハウスダストにアレルギーがある方は、繊維くずが必要以上に空中内に飛散しにくいように手入れをしたり、新しいものに変えるのも良いかもしれません。

繊維表面の断面・表面形状、長さ、密度


肌に当たる際、繊維の断面が円形のものより角形断面のものの方が皮膚刺激性が強く、絹、麻、アセテート、ベンゾエート、レーヨン、ニトリルが角形や不規則な形をしています。
繊維の断面が肌に当たりやすいのは繊維の長さが短い短繊維で、綿、ヘアー(ウール、カシミヤ、モヘヤ、キャメル、アンゴラ、アルパカ、ヴィキューナ)、麻(リネン、ラミー)、アクリルなどになり、短繊維は毛羽立ちや毛玉が起こりやすくなります。
この毛羽立ちや毛玉は皮膚刺激性を強くするため、繊維の太さが0.025mm以上で短繊維で角形断面のものは、チクチクや痒みを招きやすいと言えます。

尚、繊維の長さが長い長繊維はナイロン、短繊維と長繊維の両方あるものは絹(基本的には長繊維)、レーヨン、ポリエステル、アクリル(ほぼ短繊維)などになります。

綿、ウール、ヘアーにおいては繊維が細く、長く、異物混入率が低いほどより高級、高価なものになります。

また繊維密度が低い方が皮膚刺激性が弱く、繊維の表面が滑らかで油脂分を含むものは刺激が弱い面があります。等級の高いカシミヤなどは繊維が細く油脂分も含むため保湿性もあります。

乾燥と静電気も皮膚刺激を強める要因になり得ます。乾燥すると皮膚の表面に凹凸ができやすくなり、繊維と摩擦を生みやすくなります。
摩擦により静電気が起こりやすくなり、摩擦により発生する毛羽立ちや毛玉はさらなる摩擦を起こす要因にもなります。異なる繊維でできた衣類の重ね着も摩擦を起こす要因になりますが、

ウール、ヘアー×塩化ビニル
ナイロン×ポリプロピレン
ナイロン×アクリル
皮革×アクリル

は比較的静電気をおこしやすい組み合わせといわれていますので、静電気が気になる方は留意されるのも良いかと思います。以下の組み合わせは比較的静電気が発生しにくいと言われています。

絹×木綿
絹×ウール
レーヨン×木綿
麻×アセテート
アクリル×ポリプロピレン

繊維の特徴からより低刺激な製品選びを、同じウール、ヘアーでもより繊維が細く、長く、異物混入率が低い等級の高い商品を選び、皮膚の乾燥を防ぎ、毛羽立ちや毛玉を作らないよう衣類をお手入れをしてみると、刺激が低い場合もあります。

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