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乳を含むものはどれか?

2015.02.22

投稿者
クミタス

今回は、乳を含むかどうか、再度確認をしておきたい成分について、お送りします。


乳糖(ラクトース)
ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類で、牛乳内の固形成分のうち、乳糖は脂肪、カゼイン、無機質など以外の成分であり、4.4~4.7%、母乳には6.1~6.8%含まれます。
乳糖は残留タンパク質量が「精製が高度な乳糖」についても、0.3%程度残存することがあることから、食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル、数μg/g含有レベルに満たない場合を除き、乳糖を使用している食品においては、アレルゲン「乳」の表示が必要になります。

還元乳糖(ラクチトール)
乳糖を原料に水素添加により還元し精製されて得られる糖アルコールになります。乳糖は約0.2%程度残存するとの報告もありますが、残存する乳たん白質はあってもごくわずかであり、還元乳糖を含んでいても、乳のアレルゲン表示は基本的にはなされていません。

乳果オリゴ糖(乳糖果糖オリゴ糖、ラクトスクロース)
難消化性のオリゴ糖であり、乳糖とショ糖を原料とし、原料としてフラクトース転移酵素を作用させて合成されています。原料の乳糖比率が低いほど甘さが強くなり、製品により差があります。精製過程で乳タンパクは残存しないか、してもごくわずかとされており、ラクトストロースを含んでいても基本的には乳のアレルギー表示はなされません。

乳清(ホエイ、乳清たんぱく質)
ヨーグルトの上澄み液でも知られる乳製品であり、乳清たんぱく質の主成分であるβ-ラクトグロブリンは、乳アレルギーにおけるアレルゲン物質であり、ホエイ、濃縮ホエイ、ホエイパウダー、たん白質濃縮ホエイパウダー、ホエイプロテイン、乳清ミネラルなどが原材料に含まれる場合は乳を含むものとされます。

乳清たんぱく質分解物
アレルゲンでも分子量を小さく分解していくと抗原性を低下させることができます。乳清たんぱく質分解物はホエイを分解したものになり、β-ラクトグロブリンがアレルゲンとなる方への低アレルゲン商品ともなります。この低分子化がアレルギー対応ではありますが、分解レベルによってはアレルギー反応を示す場合があることをご留意ください。

カゼイン
ホエイが牛乳のたん白質の20%であるのに対し、カゼインは80%を占め、乳アレルギーにおけるアレルゲン物質です。チーズやさまざまな乳製品に含まれ、結着、凝固、安定目的で食品添加物としても使用され、原材料に含まれる場合は乳を含むものとされます。

カゼインNa
カゼイン自体が水に溶けないのに比べ、アルカリで中和していることで水溶性となりカゼインより利用範囲が広くなった、乳化、安定目的で使用される食品添加物です。カゼインNaを含む場合は、カゼインナトリウム(乳由来)、カゼインNa(乳由来)、「原材料の一部に乳を含む」といった表記になります。

CPP(カゼイン・ホスホ・ペプチド)
カゼインを酵素を使って分解して得られるペプチドの総称になり、カルシウムを吸収しやすくします。原材料には、CPP(乳由来)、CPP(カゼインホスホペプチド:乳由来)などと表示されます。

CCP(カゼイン・カルシウム・ペプチド)
カゼインカルシウムを、酵素のプロテアーゼ処理したものを分解したペプチドになり、カルシウムを吸収しやすくします。原材料には、CCP(乳由来)、CCP(カゼインカルシウムペプチド:乳由来)などと表示されます。

カゼイン分解物
カゼインを低分子化したもので、カゼインがアレルゲンの方にとって摂取可能な場合があります。低分子化がアレルギー対応ではありますが、分解レベルによってはアレルギー反応を示す場合があることをご留意ください。
カゼイン分解により苦みがでたり風味劣化が生じる面があり、調整工夫がなされています。

ラクトフェリン
母乳にも含まれますが、ラクトフェリン(乳由来)と表記されているものは、牛乳由来のたん白質になります。

ミルクカルシウム
牛乳由来のカルシウムになります。

脱脂粉乳、無糖練乳、加工乳、成分調整牛乳、特別牛乳は乳を含むものです。

乳製品でない場合もあるもの


発酵乳
牛乳等に乳酸菌、酵母などを加え発酵させたたものになり、ヨーグルトも発酵乳の1種になります。牛乳が原料の場合は乳製品であり乳を含むものとなりますが、ヤギ、羊、水牛、馬の乳が原料になる場合は乳のアレルゲン表示はされません。

乳酸菌飲料
日本では牛乳を発酵させる乳酸菌飲料が主流ですが、乳以外を発酵した飲料も含まれ、植物性乳酸菌で穀類など乳以外を発酵させた場合は乳成分は含まれません。
尚、発酵乳と乳酸菌飲料は無脂乳固形分、1ml当たりの酸菌数または酵母数に違いがあり、発酵乳が無脂乳固形分8.0%以上、乳製品乳酸菌飲料3.0%以上、乳酸菌飲料は3.0%未満、1ml当たりの酸菌数または酵母数は発酵乳と乳製品乳酸菌飲料は1,000万以上、乳酸菌飲料は100万以上と区分されています。

乳成分、乳製品ではないもの


乳酸菌
乳酸菌そのものは菌であり乳製品ではなく、有胞子乳酸菌、乳酸菌末、乳酸菌生成エキス、乳酸菌酵母菌培養エキスも同様です。
また乳酸菌には植物性乳酸菌もあります。
ですが、乳酸菌の培地に乳成分が使用されることもあり、残存程度によりアレルギー物質を含有する食品として表示の対象になります。

乳酸発酵~
乳酸発酵~、乳酸菌発酵~とも乳酸菌による発酵生成物を指しており、発酵させるもの自体が乳、乳製品でなければ乳を含むとはなりません。乳酸発酵トマトエキスパウダー、乳酸発酵モルトエキス、乳酸発酵大豆飲料、乳酸菌発酵大豆粉末、乳酸発酵液、乳酸発酵調味液など。

乳酸、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム
乳酸は多くの動植物の組織に存在し、乳酸発酵する際の発酵物に含まれる物質でもあります。乳酸は食品添加物として、凝固や結着用途や酸味付け目的で使用されます。
乳酸にカルシウムを反応させたものが乳酸カルシウムで、食品添加物として凝固、結着、形状保持、うまみ添加目的で使用され、カルシウム強化のために使用もされます(栄養強化目的時には表示の必要はありません)。
乳酸にナトリウムを反応させたものが乳酸ナトリウムで、食品添加物としてpH調整、保湿、離水防止目的でも使用されます。
いずれも乳製品ではありません。

乳化剤
食品添加物であり、役割上は食品における界面活性剤と同義でもあり水と油を混ざりやすくする乳化作用から乳化剤と表記されます。大豆や卵黄は由来物になることがあり、多くはないですが乳由来の乳化剤もあります。その場合は、乳化剤(乳由来)、または「原材料の一部に乳成分を含む」といった表記がなされます。

乳化油脂
植物油脂(パーム油、コーン油等)などに水や乳化剤(レシチンやショ糖脂肪酸エステル等)などを混ぜ、水に溶けやすくした油脂で、乳化剤のように食品生地の改良、食感改善目的で使用されます。またショートニングとも別のものになります。

マーガリン
基本的に液状の植物油脂を固体化するために水素を添加して製造される食用油脂が80%以上のもので、乳を原料にして作られれてはいませんが、バターと混ぜ合わせた物も中には存在します。その場合は、マーガリン(乳を含む)等と表示されます。

カカオバター(ココアバター)
カカオマスの脂肪分のことで、乳製品のバターとは関係がありません。

ピーナッツバター
ピーナッツからつくられたスプレッド食品を指し、乳製品を使用している場合は、表記されます。

植物性油脂クリーミング食品
コーヒーフレッシュなどでも知られていますが、植物性油に水と乳化剤等からできるクリーム様の食品になります。中には乳成分を加えているものがありますが、その場合は、乳を含むことが表記されます。

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