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羊乳加工品によるアレルギー

2019.06.04

投稿者
クミタス

羊乳はフェタチーズ(山羊乳が使用されることもあります)、ロックフォールチーズ、リコッタチーズ(牛乳、水牛乳、山羊乳が使用されることがあります)、ペコリーノ・ロマーノチーズの原料でもあり、羊乳を原料とするチーズは、食事やデザートなどでも国内外で摂食機会があります。

25歳女性にて、4年前からカルボナーラパスタ、チーズのかかったサラダなどの摂食1時間後に手のしびれ、咽頭が腫れた感じ、下痢、嘔吐を生じていた。その後の精査では、特異的IgEは牛乳、タンパク質のα-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、カゼイン、また羊肉で陰性、プリックテストでペコリーノ・ロマーノチーズに陽性、ウェスタンブロット法で羊乳、羊乳加工品に健常と比べて強く反応するバンドを検出し、羊乳アレルギーと診断された(出典・参照:原因確定に苦慮した羊乳アレルギーの1例)。

カゼインは哺乳類にのみ存在し、複数の成分から成る混合物になります。牛乳においては、αs1-カゼイン、αs2-カゼイン、β-カゼイン、κ-カゼイン、また血清タンパク質のα-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、血清アルブミン、免疫グロブリンがアレルゲンとして考えられています。
牛乳、羊乳、山羊乳のタンパク質においては交差反応性を有するタンパク質の存在も示唆されていますが、それまでに牛乳によるアレルギーを生じていなくても、羊乳、羊乳加工品、山羊乳、山羊乳加工品にアレルギー症状を生じる場合もあります。山羊乳の加工品にはシェーブルチーズなどもありますが、原因特定のためにも、外食などでの摂食後に症状が出現した際には、何の乳加工品なのかも確認できるのが望ましいでしょう。
また、今後も牛乳以外の乳のアレルゲンや牛乳との交差反応性についても、追って掲載していきたいと思います。

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