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アレルギー性疾患と睡眠障害①

2018.04.25

投稿者
クミタス

喘息においては咳症状が、アレルギー性鼻炎においては、鼻閉、鼻漏、顔面の疼痛、圧迫感、頭痛、咳といった症状が、睡眠の妨げになることがあります。また成人喘息患者さんにおいて閉塞性睡眠時無呼吸症候群の発症率(最初の4年時での検査で)は27%、非喘息患者さんでは17%とのアメリカでの調査結果もあり、COPDなど呼吸器疾患のある方においては、睡眠時無呼吸との関連が考えられる可能性もあります。
不眠症のない成人と比較して、不眠症のある成人では喘息加療頻度が高いとの報告もなされていますが、適した加療とともに、日頃からの十分で質の良い睡眠の習慣化は、症状コントロールの上でも有用策にもなり得ます。

睡眠の妨げになることのある要因例に


悪夢が睡眠の妨げとなり目が覚めてしまうこともありますが、薬剤が原因となることもあり、抗アレルギー薬の中にも副作用として、人によっては悪夢、異夢、夢遊症を起こす場合があります。
悪夢を起こすことのある薬剤例(添付文書の副作用に悪夢、異夢、夢遊症と記載のあるもの)
抗アレルギー薬では、エピナスチン(アレジオン)、フェキソナジン(アレグラ)、モンテルカストナトリウム(キプレス、シングレア)など
食物アレルギーの経過観察中であった7歳男児で、起床前の激しい咳嗽が持続するようになり、アレルギー歴、環境抗原への感作、咳嗽の様式などから気管支喘息症状と考えられ、モンテルカストの内服を開始したところ、内服開始後2日目から2日続けて睡眠時遊行症 (夢遊症) 症状が見られ、モンテルカストの内服を中止したところ、速やかに睡眠時遊行症の症状が消失した例もあります。
すべての方に悪夢出現するとは限りませんが、使用薬剤の変更により睡眠が改善できる場合もありますので、服用後に睡眠状態が悪くなった場合は、受診し相談できると良いかと思います。

慢性的な睡眠不足の場合、睡眠時随伴症による睡眠不足、寝ているはずなのに眠れていない場合もあります。乳幼児においても以下のような状態の際は、睡眠障害が起こっている可能性も想定できると望ましいでしょう。
・夜間睡眠中に何度も目を覚ます(3回以上)
・夜間睡眠中に目を覚ますと1時間ほど起きている
・頻繁に泣く(乳幼児)
・不機嫌でイライラしている
・夜中に突然大声で叫び、パニックを起こす
・手足、全身を痒そうにしている、痒い
・1日中眠気を訴える、眠そう、眠い
・頭痛や腹痛が多い
・保育所や幼稚園に行きたがらない(幼児)

アトピー性皮膚炎や皮膚と睡眠については以下を参照ください。
アレルギー性疾患と睡眠障害②~アトピー性皮膚炎と睡眠障害
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2755

出典・参照:睡眠障害から見たアレルギー疾患
Association Between Asthma and Risk of Developing Obstructive Sleep Apnea
モンテルカストの内服後に睡眠時遊行症様症状を呈した7歳男児例
Insomnia prevalent in patients with asthma ほか

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