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ダニ抗原経口摂取によるアレルギーにおいて

2018.03.24

投稿者
クミタス

お好み焼きミックスなどの粉製品、かつお粉といったアミノ酸を含む粉末などにおいては、その食品中でダニが繁殖することがあります。ダニ抗原の1つDer 2(Der p2、Der f2)は比較的に熱に安定的でもあり、加熱調理をしても失活しない状態でダニ抗原を経口摂取することでアレルギー症状が出現する場合があることは知られるようになっていますが、ダニ経口摂取によるアレルギーにおいては、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に過敏に反応するNSAIDs不耐症との関連可能性を挙げる意見もあります。

国内では、ダニ抗原を含むたこ焼きミックス粉摂取後に呼吸困難・腹痛・嘔吐が出現し、ダニ経口摂取によるアナフィラキシー(Oral mite anaphylaxis)と診断された10歳男児において、その1カ月後にロキソプロフェンを摂取した後に、眼瞼腫脹、蕁麻疹、咳を呈しており、皮内テストではロキソプロフェンに陰性で、過去に被疑薬の内服既往がないことから、NSAIDs過敏症のなかでもアスピリン不耐症の合併が疑われた例の報告もあります(出典:Oral mite anaphylaxis発症後にNSAIDs過敏症を合併した小児例)

海外例では、ダニ経口摂取によるアナフィラキシー(Oral mite anaphylaxis)においては、NSAIDs不耐症の合併率は67%、87%としている報告もありますが、日本でのNSAIDs不耐症の合併率は、顕在し報告されている中では6%(4例/66例)と大きな違いが見られています。

NSAIDs 不耐症は初回投与からでも症状出現する点が、NSAIDsによるアレルギー反応とは病態が異なり、鼻症状、喘息発作などが生じる気道病変を主とする気道型と、じんましんや血管性浮腫などが誘発される皮膚病変型があります。
ダニ経口摂取によるアレルギーにおいては、ダニ抗原量が少ない場合にNSAIDs内服により症状出現する可能性、症状増強する可能性も考えられます。NSAIDs不耐症との関連有無やどのようなメカニズムで起こり得るか、はっきりしていない面もありますが、留意しておけると良いかもしれません。


出典・参考:お好み焼きに混入した Dermatophagoides Siboney による Oral mite anaphylaxis の 1 例

アスピリンによる影響
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2150
開封後の粉製品のダニ繁殖を抑えるのに適した温度とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2125

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