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亜硫酸塩について 2018.4.20更新

2018.03.13

投稿者
クミタス

不使用であることを表記していないワインの多くは、細菌や野生酵母の殺菌、増殖防止、ワインの酸化防止、生成されるアセトアルデヒドと結合し臭気を抑える等のため、亜硫酸塩が添加されており、また添加していないワイン商品においても、ワイン中の酵母が亜硫酸を分泌し微量に含有されていることがある成分でもあります。ワインに限らず、多くのドライフルーツ、ピクルス、甘納豆、一部のチョコレート菓子や焼菓子、香辛料などにも亜硫酸塩は使用されていますが、EU圏、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などでは、亜硫酸塩は表示義務対象でもあります(総量として二酸化硫黄または亜硫酸塩が10ppm超含有の場合など)。

食品添加物として指定されている亜硫酸塩類は、二酸化硫黄、亜硫酸ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウムになり、ピロ亜硫酸ナトリウムなどは薬剤にも酸化防止目的で使用されることがあります。
エピペンにはピロ亜硫酸塩が含まれていますが、現行では販売元Webサイト上でも掲載されている「エピペン使用情報」内では、ピロ亜硫酸塩アレルギーの方であっても、緊急時には本剤(エピペン)を使用ください、と記されています。
https://www.epipen.jp/download/EPI_ShiyouJouhou.pdf

成人喘息患者さんの約5~10%とも示唆されるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬。アスピリンなど)過敏患者さんにおいては、亜硫酸塩やパラベンは増悪物質となる場合があることが知られています。喘息患者さん全体では亜硫酸塩に過敏に反応する方の率は3.9%未満、または3~10%とする海外での報告例もあります。

食物アレルギーの観点では、ワイン摂取後に呼吸困難、全身に浮腫性紅斑が出現し救急搬送され、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムについてプリックテスト、皮内テストが行われ、皮内テストで3物質とも陽性を示した66歳日本人男性の例が報告されています。

亜硫酸塩は外用剤(塗り薬)の基剤に添加物として使用されることがあり、皮膚炎をおこすこともありますので、ご留意ください。


出典・参照:ワインに含まれた亜硫酸塩によりアナフィラキシーを生じた 1 例
Clinical effects of sulphite additives.
Prevalence of sensitivity to sulfiting agents in asthmatic patients.

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