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経皮感作による食物アレルギー発症可能性~コラーゲン

2018.03.06

投稿者
クミタス

化粧品を使用していて皮膚に症状がある場合、刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、光毒性接触皮膚炎、光アレルギー性接触皮膚炎、接触蕁麻疹が挙げられ、シャンプー、染毛剤、美容液、化粧水、洗顔料などが多い原因製品となっています。
化粧品においては、小麦、乳、大豆、ナッツ、果実など食物抗原を含むものもあり、加水分解コムギ(グルパール19S)を含む茶のしずく石鹸による小麦アレルギー発症の例など、経皮感作により食物アレルギーを発症する場合があります。

コラーゲンを含む毛髪用トリートメント剤を長期に渡って日常的に高頻度に使用する美容師さんにおいて、豚骨ラーメンを摂食した際に、顔面膨脹、手のかゆみ、呼吸困難感、そして血圧低下があり、コラーゲンの経皮感作によりコラーゲン、ゼラチンアレルギーを発症したと考えられる例も見られています。

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎の既往のある20代女性で、1年半前よりコラーゲンを含むトリートメント剤を使用すると手の痒み、膨脹を自覚しており、約1年後に豚骨ラーメンを食べた際に、顔面膨脹、手のかゆみ、呼吸困難感があり、数か月後に再び豚骨ラーメンを食べた際、同様の症状、血圧低下があった方で、プリックテストで加水分解コラーゲン含有トリートメント剤、豚骨スープ数種類、コラーゲン、ゼラチンで陽性、経口負荷試験ではゼラチン約0.18g摂取後に、まぶたの紅斑、咽頭違和感、気分不良を認めています。

コラーゲンは多くの魚類のアレルゲンの1つでもあり、ゼラチンは食品のアレルギー表示における推奨品目20品目のうちの1つでもありますが、ヘアケア・スタイリング剤に含有されることがある成分で、特に湿疹や皮膚に傷、皮膚バリア障害がある状態で高頻度に日常使用していることで、経皮感作から食物アレルギー発症に至る原因となる可能性もあります。使用していて、皮膚の状態が悪化したり、食後に全身症状が出現する場合は、受診できるのが望ましいでしょう。

ウナギを含む多品目の魚類へのアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2027

出典:コラーゲン含有トリートメント剤を扱う美容師に生じた豚骨ラーメンによるアナフィラキシーショックの1例

茶のしずく石鹸によるアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2087
納豆アレルギーについて~ポリガンマグルタミン酸
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1481
赤肉アレルギーとマダニ咬傷
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1258

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