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PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症において

2023.12.18

投稿者
クミタス

日本での花粉アレルギーにおいては、以下の花粉などで報告されています。
ブタクサ、スギ、カモガヤ、イタリアン・ライグラス、カナムグラ、ヨモギ、イネ、コナラ属、シラカンバ、テンサイ、ハンノキ、キョウチクトウ、スズメノテッポウ(イネ科)、ヒメガマ、ハルジオン、イチゴ、ヒメスイバ(タデ科)、キク、除虫菊、クロマツ、アカマツ、カラムシ、ケヤキ、クルミ、モモ、セイタカアキノキリンソウ(キク科)、イチョウ、バラ、リンゴ、アカシア、イエローサルタン(キク科)、ヤナギ、ウメ、ヤマモモ、ナシ、コスモス、ピーマン、ブドウ、クリ、コウヤマキ、スズメノカタビラ(イネ科)、サクランボ、サクラ、ナデシコ、アフリカキンセンカ、オオバヤシャブシ、ツバキ、スターチス、アブラナ属、グロリオサ、ミカン科、ネズ、ウイキョウ属、オリーブ、イチイ、マキ属、トマト、スゲ属など

花粉に感作されている方で、花粉と交差反応性のある果物、野菜にアレルギー反応を示す場合があり、PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)と称されますが、PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)について、成育コホート研究では 13歳の約10 人に 1 人に症状がある、との示唆も見られていますが、花粉に感作された小児でのPFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症のリスク因子として、何が挙げられるのでしょうか?
 
2016〜2019年にハンノキ、スギ、カモガヤおよびブタクサ花粉特異的IgEの全てが測定され、一つ以上陽性であった3〜18歳の600人を対象とし後方視的に解析(PFASの診断は全身症状のみの症例と種実類は除外した)。PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群) と診断されたのは3-6歳で8.5%、7-12歳で20%、13-18歳で 36.3%であった。多変量解析による PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群) 発症のリスク因子は、年齢の上昇、季節性アレルギー鼻炎の診断、ハンノキ感作であった。
4つの花粉抗原全てに感作されている患者のPFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)  発症はスギのみの患者と比較すると、オッズ比 36.83(95%信頼区間 8.93-151.83, P<0.001) で、花粉特異的IgE値はそれぞれ相関があり、どの花粉においても IgE値が上昇すると PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症のリスクが増大した。ハンノキ特異的IgE値の PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症のカットオフ値は2.54UA/mL (感度 78.9%, 特異度70.9%) であった(出典・参照:加藤正也 吉原重美 獨協医科大学医学部小児科学 花粉感作のある小児における PFAS 発症のリスク因子 の検討)。
 
上記報告では幼児期からスギ以外の花粉感作、 特にカバノキ科の感作を防ぎ、IgE値の上昇を抑えることは、PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症抑制に影響する可能性も示唆しています。PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)においては全身症状、アナフィラキシーショックに進展することもあります。PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)発症における年齢や地域の状況などに関しても今後また別途掲載したいと思います。

PFAS(花粉ー食物アレルギー症候群)の原因食物が摂取可能となった例から

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