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ベーキングパウダーの蒸し物用と焼き物用の違い

2018.01.26

投稿者
クミタス

ベーキングパウダーに含有される成分については、以下にも記しておりますが
ベーキングパウダーを使用したお菓子で味覚に違和感がある場合は?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1769
ベーキングパウダー商品は、酸性剤とアルカリ性剤の中和反応によるガス生成を生かし、酸性剤とアルカリ性剤が保存中に反応しないようにする分散剤(遮断剤)としてコーンスターチ、または小麦でん粉も含有されます。酸性剤としては以下のうち1種、あるいは2種以上が使用されています。

酸性剤
~無機酸
第一リン酸カルシウム、焼ミョウバン(アルミニウム)
~有機酸
フマル酸、グルコノデルタラクトン、酸性ピロリン酸ナトリウム、d-酒石酸水素カリウム(ケレモル)など

アルカリ性剤
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム

ベーキングパウダーには焼き物用と蒸し物用があり、以下などにおいて違いがあります。

​ベーキングパウダーの蒸し物用と焼き物用の違い


○ガス発生のタイミング

焼き物用のベーキングパウダーにおいては、高温で反応する酸性剤が主に使用され、ガスの発生が遅いのに対し、蒸しもの用のベーキングパウダーは低温で反応する酸性剤が主に使用され、ガスの発生が早い傾向があります。

比較的低温で反応する酸性剤(ガスの発生が早い)
・フマル酸
・d-酒石酸水素カリウム(ケレモル)など

中間
・第一リン酸カルシウム

比較的高温で反応する酸性剤(ガスの発生が遅い)
・焼ミョウバン(アルミニウム)
・グルコノデルタラクトン
・酸性ピロリン酸ナトリウム

○pH

焼き物用ベーキングパウダーは、焼成中のメイラード反応(褐色物質を生み出す反応)の効果を促すためにも、pHが弱アルカリ性に設定されているものが多く、一方、蒸し物用ベーキングパウダーはpHが低めに弱酸性に設定されている傾向があり、小麦粉中のフラボノイド色素の黄変がおこりにくく、出来上がりも白さが出やすくなります。


焼き物用ベーキングパウダーを使用し、蒸す調理をおこなう場合、含有成分がが反応しきらないまま残留し、苦味を感じたり、小麦などを使用している場合、生地が黄色くなることもあります。調理に合わせて調整をしたり、適した材料を使用できるのが望ましいでしょう。

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