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亜麻仁によるアレルギー

2018.01.09

投稿者
クミタス

亜麻仁油(フラックスオイル)の脂肪酸組成は、α-リノレン酸40~61%、リノール酸15~25%、オレイン酸14~26%、飽和脂肪酸10%程度と、オメガ3脂肪酸主体の油で、アマ科植物の亜麻の種子を圧搾、または抽出等により得られます。
また、亜麻の種子(フラックスシード)はパン生地やご飯に混ぜたり、スープなどに含まれていることがあります。

亜麻仁油、えごま油、インカインチオイル(グリーンナッツオイル、サチャインチオイル)などのオメガ3脂肪酸主体のオイルは、近年積極的に取り入れる方も増えていますが、日本などでも亜麻の種子、種子粉末を摂食して、アレルギー症状が出現した例も見られるようになっています。

ケース1
・29歳女性(日本での報告)
初めて使用する製品を使用し、亜麻の種子入りのライ麦パンを自分で作り、他の食品も含め摂食していたところ、消化器症状、続いて呼吸器症状、皮膚症状が出現した。
食材の抽出液で施行した皮膚プリックテストと好塩基球脱顆粒試験の結果、パンに含まれる亜麻の種子が原因アレルゲンであると判明した(亜麻の実特異的IgEも陽性)。

ケース2
・42歳女性(韓国での報告)
亜麻仁粉をティースプーン1/2杯分を摂食した30分後に顔面浮腫、呼吸困難、蕁麻疹が出現した。
加熱された亜麻仁粉抽出物での皮膚プリックテストは陰性反応を示したが、皮内試験は陽性であった。

カナダなどでの報告例では、グラノーラバー、マフィン、パン、スムージーに含有の亜麻種子に1歳5か月、9歳、5歳、8歳の児でのアレルギーと思われる症例などもあり、成人以外でも症状出現する可能性はあります。
シアン化合物を含有する杏子の種子、梅の種子、ビターアーモンド、そして亜麻の種子においては、10ppmを超えて検出されるものは輸入できないことになっています。また、亜麻仁は水溶性食物線維を含んでおり、緩下剤作用があるため、摂食して下痢をおこすことがあります。亜麻仁油においては、精製程度に依ってもアレルギー症状の出現可能性が変わってくるところでもありますが、症例報告があり次第またご紹介したいと思います。


出典・参照:パンに含まれる亜麻の実を原因としてアナフィラキシーを発症した1例
Case report: A first case of flaxseed-induced anaphylaxis in Korea.
Flax seed allergy in children: an emerging allergen?

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