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暖房機器と一酸化炭素、二酸化窒素など

2018.01.02

投稿者
クミタス

各種ガス機器を使用した場合に必要な空気量は以下等が示されています。
・ガスコンロを1時間使用した場合(ガス消費量7.3kW) 、7.6立方メートル(ドラム缶38本)の空気が必要
・小型湯沸器を1時間使用した場合(ガス消費量11kW) 、11.4立方メートル(ドラム缶57本)の空気が必要
・CF式ふろがまを1時間使用した場合(ガス消費量12kW) 、12.4立方メートル(ドラム缶62本)の空気が必要
・大型給湯器16号を1時間使用した場合(ガス消費量34.9kW) 、36立方メートル(ドラム缶180本)の空気が必要

室内の空気(酸素)を使って燃焼し、排気ガスを室内に出す石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、石油ストーブなどの使用により、室内の一酸化炭素濃度が高まりますが、機器の種類によっても上昇程度が異なる場合があり、いままでに15分後に3ppmほどになりそのまま濃度を維持するタイプ、ゆるやかに上昇し続けるタイプも見られています。
また、石油やガスの燃焼によって一酸化窒素、二酸化窒素などの窒素酸化物が発生し、一酸化窒素、二酸化窒素の室内の濃度が高まり、人体に影響を及ぼすようになります。暖房機器製品、部屋の広さにより異なりますが、石油ファンヒーター使用30分程で、室内二酸化窒素濃度は0.4ppmほどになる場合もあります。

体への影響


一酸化炭素(CO)は無味無臭の気体で、空気中の一酸化炭素濃度が高くなっていても気づきにくい面がありますが、一酸化炭素の空気中濃度が0.02%(200ppm)に上昇すると頭痛が起こるようになり、0.16%濃度で20分間曝露により頭痛、めまい、吐き気がして2時間で失神、0.32%濃度で5~10分間曝露により頭痛、めまい、30分間で死亡、1.28%濃度で1~3分間曝露により死に至ると見られています。

喘息患者さんにおいて、0.2~0.3ppm濃度の二酸化窒素に0.5~2.0時間曝露することで、気道の反応性が増加する可能性があり、1秒量(FEV1)、努力肺活量(FVC)において、4~6%の減少が見られ、0.3ppm濃度の二酸化窒素に3.75時間曝露し、軽い運動をしたCOPD(慢性閉塞性肺疾患)患者さんの努力肺活量(FVC)、1秒量(FEV1)が5~9%減少、1.5~2ppm濃度の二酸化窒素に2~3時間曝露することで、健康な大人でも気道の反応性が増加し、2.0ppm以上の濃度の二酸化窒素に1~3時間曝露すると、健康な方において、気道の抵抗増加などが見られるとの報告もなされています(Air Quality Criteria for Oxides of Nitrogen(EPA Report No.EPA/600/8-91/049aF))。

対策として


暖房機器が古くなったり、ほこりがたまっていたりすると、不完全燃焼が起きやすくなりますので、清掃をおこなうこと、そして1時間に1、2回以上5分間程度窓を開けるか、時間を決めて換気扇を回すなど、こまめな換気を心がけるようにしましょう。
ただ、1時間に1回1分間、2箇所の窓を全開にし換気をおこなったところ、二酸化窒素などの燃焼ガス濃度はすぐに約4割低下したものの、60分後までには換気前の状態とほぼ同レベルにまで戻っており、換気の効果は持続しにくいところでもあります。
石油ファンヒーター、ガスファンヒーターの設定温度が20℃と25℃での比較では、25℃の方が室温を更に上昇、維持させるためにさらに燃焼させることにより、二酸化窒素等の濃度が高くなり、室内空気環境はより悪化します。
石油ファンヒーター、ガスファンヒーターの設定温度は低めにし、換気をおこないながら、石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、石油ストーブ以外のエアコンなどの暖房機器を主として併用することにより、窒素酸化物等の発生を減らし、空気の流れもつくり出しやすくなります。
また、排気筒のある風呂がまや大型湯沸器を使用する際は、風呂がま等の排気が逆流する場合がありますので、隣接するキッチンなどの換気扇を使用しないようにすることも対策として挙げられています。

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