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園芸植物・植物と毒性物質

2018.01.01

投稿者
クミタス

ガーデニングなどで栽培している植物に遊びに来た児が接触し、その植物が毒性のある植物で、皮膚炎をおこしたり、誤って口に入れて症状が出現するといった場合もあります。
ヒガンバナ、キョウチクトウについては有毒植物として認識している方も少なくないかと思いますが、ほかにも比較的に知られていない場合もある有毒な園芸植物、植物も含めお送りします(更新中)。文献、資料により内容が異なる場合があります。以下以外にも毒性物質を含有する植物はありますので、必要に応じ都度個別に確認ください。



・クリスマスローズ(キンポウゲ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に根、根茎)
主な毒性物質:ヘレブリン(強心配糖体)、スプリンチリン、アコニチン様アルカロイド
主な症状:スプリンチンによる皮膚、粘膜の炎症、摂食して吐き気、嘔吐、めまい、多量摂取により心臓麻痺をおこす可能性も。

・フクジュソウ(キンポウゲ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(新芽含む)
主な毒性物質:強心配糖体(シマリン、アドニトキシン)
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、下痢、多尿、蛋白尿、頻尿、脱力、呼吸困難、心臓麻痺など

・ロベリア(キキョウ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:ロベリン(アル力ロイド)など
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発汗、めまい、感覚異常、けいれん、呼吸麻痺など。ニコチンによる作用と類似点あり。

・イソトマ(キキョウ科)
有毒物質の主な存在部位:葉、茎、汁液
主な毒性物質:ロベリン(アル力ロイド)など
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発汗、めまい、感覚異常、けいれん、呼吸麻痺など。ニコチンによる作用と類似点あり。汁液が目に入り炎症を起こした事例も。

・サワギキョウ(キキョウ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:ロベリン(アル力ロイド)など
主な症状:摂食して嘔吐、腹痛、下痢、発汗、めまい、感覚異常、けいれん、呼吸困難など。ニコチンによる作用と類似点あり。

・アセビ(ツツジ科)
有毒物質の主な存在部位:全株、葉、樹皮、茎、花
主な毒性物質:アセボトキシン(グラヤノトキシンⅠ)、グラヤノトキシンⅢなど
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、感覚異常、けいれん、運動麻痺、呼吸困難など

・シャクナゲ(ツツジ科)
有毒物質の主な存在部位:全株、葉、樹皮、茎、花
主な毒性物質:ロードトキシン(グラヤノトキシンⅠ)など
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、感覚異常、けいれん(主にロードトキシンによる)、運動麻痺(主にロードトキシンによる)、呼吸困難など

・レンゲツツジ(ツツジ科)
有毒物質の主な存在部位:全株、葉、樹皮、茎、花、蜜、根
主な毒性物質:アンドロメドキシン(グラヤノトキシンⅠ)、ロドヤポニン(花、蜜。グラヤノトキシン類似)、スパラソール(根)
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、感覚異常、けいれん、運動麻痺、呼吸困難など。はちみつによる中毒例もあります。

・オモト(ユリ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:ロデイン、ロデキシン
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、頭痛、不整脈、血圧低下、多量摂取で徐脈、心臓麻痺をおこす可能性あり。

・バイケイソウ(ユリ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:プロトベラトリン(アルカロイド)など
主な症状:摂食して嘔吐、下痢、血圧降下、けいれんなど

・イヌサフラン(ユリ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:コルヒチン(アルカロイド)など
主な症状:摂食して口腔・咽頭灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、麻痺、死亡例あり。
ギョウジャニンニクと間違えて摂食し中毒をおこすことがあります。

・グロリオサ(イヌサフラン科orユリ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に塊茎)
主な毒性物質:コルヒチン(アルカロイド)
主な症状:摂食して口腔・咽頭灼熱感、発熱、嘔吐、下痢、麻痺、鱗茎を摂食して死亡例も

・スズラン(スズラン亜科スズラン属)
有毒物質の主な存在部位:全草、花、種子、球根
主な毒性物質:コンバラトキシン、コンバロサイド、コンバラトキソール
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、頭痛、めまい、心臓麻痺可能性。ギョウジャニンニクと間違えて摂食し中毒をおこすことがあります。

・ヒガンバナ(ヒガンバナ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に鱗茎)
主な毒性物質:アルカロイド(リコリン、ガランタミン)
主な症状:皮膚炎、摂食して胃腸障害、吐き気、嘔吐、下痢、ふらつきなど
軽・中等度のアルツハイマー型認知症薬レミニールはガランタミンを主成分としています。

・スイセン(ヒガンバナ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に鱗茎)
主な毒性物質:アルカロイド(リコリン、プレタゼチン)、強心配糖体(コンバラトキシン)
主な症状:皮膚炎、摂食して嘔吐、下痢、胃腸炎、呼吸不全、けいれんなど
ユリ科のニラと間違えて摂食し中毒をおこすことがあります。

・アマリリス(ヒガンバナ科)
有毒物質の主な存在部位:球根、花、葉
主な毒性物質:リコリン
主な症状:皮膚炎、摂食して嘔吐、下痢など

・キダチチョウセンアサガオ(ナス科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:アトロピン、スコポラミン、ヒヨスチアミン
主な症状:摂食して頭痛、めまい、嘔吐、瞳孔散大、四肢弛緩、呼吸困難など
チョウセンアサガオの根とゴボウ、チョウセンアサガオの開花前のつぼみとオクラ、チョウセンアサガオの葉とモロヘイヤ、アシタバ、チョウセンアサガオの種子とゴマを間違えることがあります。

・ランタナ(クマツヅラ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:ランタニン
主な症状:摂食して胃腸障害、虚脱など

・キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:強心配糖体(オレアンドリン、アディレニン、ギトキシゲン、ジトギシゲン)など
主な症状:皮膚炎、白い汁液が目に入り炎症、摂食して吐き気、嘔吐、下痢、四肢脱力、倦怠感、非回転性めまい、心臓麻痺、死に至ることも

・テイカカズラ(キョウチクトウ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に葉、茎)
主な毒性物質:トラチェロシド、ルテオリン、アピゲニン
主な症状:皮膚炎、白い汁液が目に入り炎症、摂食して吐き気、嘔吐、下痢、四肢脱力、倦怠感、また心臓麻痺の可能性も

・ニチニチソウ(キョウチクトウ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン)
主な症状:摂食して吐き気、嘔吐、下痢、けいれん、ふらつき、麻痺など

・カロライナジャスミン(マチン科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:アルカロイド(ゲルセミシン、ゲルセミン、センペルビン)
主な症状:お茶にしてめまい、呼吸機能低下など

・ジギタリス(ゴマノハグサ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:強心配糖体(ジギトキシン)
主な症状:摂食して胃腸障害、嘔吐、下痢、不整脈、頭痛、めまい、死に至ることも

・コンフリー(ムラサキ科)
有毒物質の主な存在部位:葉、花
主な毒性物質:ピロリジンアルカロイド
主な症状:過剰摂食することによる肝障害など
平成16年6月18日に厚生労働省よりコンフリー、コンフリー含有食品の販売禁止が通達されています。

・オダマキ(キンポウゲ科)
有毒物質の主な存在部位:全草
主な毒性物質:プロトアネモニン
主な症状:皮膚炎、水泡、化膿、摂食して胃腸炎、多量摂取で心臓疾患となる可能性も

・アネモネ(キンポウゲ科)
有毒物質の主な存在部位:全草、汁液
主な毒性物質:プロトアネモニン
主な症状:皮膚炎、水泡、化膿、摂食して胃腸炎、多量摂取で心臓疾患となる可能性も。ラナンキュラスにもプロトアネモニンが含まれます。

・ノウゼンカズラ(ノウゼンカズラ科)
有毒物質の主な存在部位:全草(特に花)
主な毒性物質:ラパコール
主な症状:皮膚炎、目に入り炎症など

ほかにも接触して皮膚症状が出現する可能性のあるものに、アイリス(アヤメ科。傷ついた地下茎、樹液などに接触して)、チューリップ(ユリ科。傷ついた地下茎に接触して)、またヒヤシンスの鱗茎にはシュウ酸カルシウムを含むため、傷のついた鱗茎に触れかゆみを感じることがあります。

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