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無呼吸発作について~食物アレルギー 2018.06.13更新

2018.06.12

投稿者
クミタス

小麦にアレルギーのある9歳男児に小麦の食物経口負荷試験を行ったところ、全身紅斑、腹痛、嘔吐、アナフィラキシーショックなどの即時型反応が見られ、その後、強い酸素飽和度低下を伴う無呼吸発作を起こした例の報告があります。
このときの患児の酸素飽和度は60%台まで低下し、その際、患児においてチアノーゼが出現しているのが確認されており、また時々、酸素飽和度の低下を伴わない10秒程度の無呼吸を認め、無呼吸時の胸郭運動がないなどの経過から、中枢性無呼吸発作が起こった可能性が疑われる例と考えられています。

食物経口負荷試験開始60分後から腹痛出現、吐き気により試験中止 ⇒ 90分後に右あご、右前腕に膨疹、顔面紅斑を認めヒドロキシジン(抗アレルギー性緩和精神安定剤)の静脈投与 ⇒ いったん皮膚症状は落ち着いたが、全身紅斑出現、嘔吐、吐き気持続を認め、200分後にヒドロコルチゾン(副腎皮質ホルモン剤)静脈投与 ⇒ 4時間後に嘔吐2回、唇色不良、四肢を小刻みに震わせるシバリング様の動きを認め、アドレナリン筋注 ⇒ 270分後に再度嘔吐、収縮期血圧が70mmHgまで低下し、再度アドレナリン筋注 ⇒ 呼吸音良好。5時間後に一時的に酸素飽和度88%まで低下し酸素投与 ⇒ 6時間後には活気が戻り、酸素飽和度97%以上に保つようになり、血圧低下なし、呼吸音良好のため酸素中止 ⇒ 7時間後に入眠中酸素飽和度が60%台まで低下。呼吸が停止しチアノーゼが出現 ⇒ 刺激、酸素投与にてすぐに呼吸再開、酸素飽和度は回復したが、1度嘔吐、1時間程度の間に酸素飽和度低下を伴わない10秒以上の無呼吸を何度か繰り返す。無呼吸時に胸郭運動はなく、呼吸再開時のみ肩呼吸を認め、再開後は呼吸音良好 ⇒ 9時間後に意識清明、経過良好、翌日も意識障害、血圧低下、無呼吸を認めず退院。

出典・参考:負荷試験後に無呼吸発作を起こしたIgE 依存型小麦アレルギー患者の1 例

中枢性の無呼吸と閉塞性の無呼吸


無呼吸においては、喘息や咽頭浮腫により気道閉塞がおこる閉塞性のタイプ以外にも、気道閉塞を伴わない中枢性の無呼吸があります。中枢性の無呼吸発作においては、呼吸運動が一時的に止まり、無呼吸時の胸郭運動が見られない特徴があります。

食物アレルギーでのアナフィラキシーでは、気道が閉塞する場合があることは知られていますが、新生児や乳児では無呼吸発作がおこることがあるなど、新生児-乳児消化管アレルギー(新生児-乳児食物蛋白誘発胃腸炎)では、無呼吸発作が4~5%で認められるとの示唆もあります。
感染症による無呼吸発作、新生児、乳児などでの呼吸中枢の未熟さによる無呼吸発作の場合もあります。上記の例ではアドレナリン投与までに時間を要していますが、食物アレルギーにおける無呼吸発作が、どのようにして起こるのかについても、またお送りしていきたいと思います。

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