1. クミタス記事
  2. クミタス記事詳細

読み物

ピーナッツアレルギーに関与する遺伝子の可能性

2017.12.06

投稿者
クミタス

食物アレルギーにおける考えられる発症因子
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2079
でも掲載していますが、喘息やアレルギー税鼻炎、アトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患において、遺伝的素因、後天的な遺伝子構造の変化、環境要因なども含め、複数の因子が複合的に影響し発症に至るとも考えられ、分子レベルでも理解されるようになってきています。

2017年12月5日には、ピーナッツにアレルギー反応のある児において、ピーナッツを摂取する前、摂取中および摂取後の血液を採取し遺伝子発現の変化を検出したところ、2万ほどの遺伝子の中で6つの遺伝子(LTB4R、PADI4、IL1R2、PPP1R3D、KLHL2、ECHDC3)の関与を同定したとの報告が、Mount Sinai ResearchersによりNature Communicationsにて掲載されています。
Integrative transcriptomic analysis reveals key drivers of acute peanut allergic reactions
https://www.nature.com/articles/s41467-017-02188-7

多くの疾患では、遺伝的素因(体質因子)に後天的な遺伝子構造の変化、多数の環境要因が加わり発症すると見られており、遺伝的素因(体質因子)は、複数の疾患感受性ゲノムタイプ、または疾患感受性遺伝子の集まりと考えられています。PADI4は慢性関節リウマチの疾患感受性遺伝子でもありますが、遺伝子の発現を抑えることが可能になると、アレルギー症状を軽減、出現抑制し得る可能性もあります。
今後はさらに、乳や卵など他の食物によるアレルギーにおいても、同様の示唆となるか研究を進める、とコメントされていますが、また新たな報告も今後ご紹介していきたいと思います。

    {genreName}

      {topics}