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重篤な事例の発生状況~低酸素脳症に至った例から

2017.11.19

投稿者
クミタス

経口免疫療法は保険診療ではなく研究段階の療法ではありますが、適応可能な児への実施により原因食物が食べられるようになるなど、実施患者さんは2015年3月末時点で約8,000人ほどとなっており、入院して、または通院にて、卵、乳、小麦、落花生などでの経口免疫療法が実施されています。

経口免疫療法に関して
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/2410
にて掲載しておりますが、
日本小児アレルギー学会にて、誤食、食物経口負荷試験時、食物経口負荷試験後の食事指導、経口免疫療法の導入中・フォローアップ中・終了後、に以下の重篤な事例
・挿管を必要とする呼吸管理、ICU 管理を必要とした事例
・低酸素脳症などの重篤な事例
がどの程度発生していたか、全国で食物経口負荷試験を実施している344の基幹施設、連携施設を対象に調査をおこない、2017年11月に集計(回収率83.4%)をおこなったところ、
回答のあった287施設中、重篤な事例に至ったのは16施設18症例で、
そのうち抗原では牛乳が8症例(44.4%)と最も多く、鶏卵、小麦と続き、ほかに大豆、ピーナッツ、カシューナッツ、えびが1例ずつ、
重篤例に至る背景としては、誤食、食物経口負荷試験時、食物経口負荷試験後の食事指導、経口免疫療法の導入中・フォローアップ中・終了後、の中では、誤食が8症例と最も多かったものの、食物経口負荷試験(5症例)、経口免疫療法(4症例)での重篤事例計が半数を占める状況にもなっています。

第54回日本小児アレルギー学会学術大会にてなされた上記報告とともに、今までの他報告例からも、重篤な症例の多くで気管支喘息の合併が見られており、気道収縮リスクへの対応が求められるところでもあり、また微量摂取で食物アレルギーの症状が出現していた方、重症患者さん等におけるより少ない摂食量の設定、また脱感作、維持、耐性化までのプロセスにおいて年単位レベルで進めていく必要性、その検討についても示唆されています。
重篤な事例に至ったより詳しい経緯、状況については、今後公表され次第、また掲載していきたいと思います。

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