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喫煙と炎症性疾患、皮膚について

2017.11.17

投稿者
クミタス

喫煙はさまざまな炎症性疾患に影響することが知られていますが、喫煙は様々な炎症マーカーの数値に影響を与える要因の1つとなり、炎症に応答して肝臓で産生される高感度CRP (hsCRP)、白血球、リンパ球など様々な炎症マーカーと喫煙との間に相関が考えられており、間接喫煙(受動喫煙)においても吸入量が多い場合は高感度CRP (hsCRP)値、白血球数、リンパ球数が高くなり、禁煙後では高感度CRP (hsCRP)値、白血球数、リンパ球数など様々な炎症マーカーの低下に影響することがわかっています。

喫煙は酸化ストレスや炎症マーカーを増加させ、脂質代謝異常、血小板数の増加などを来し、動脈硬化を促進すると考えられていますが、喫煙と皮膚との関連可能性を挙げる示唆もあります。
喫煙者に見られる傾向にある皮膚疾患の1つに、掌蹠膿疱症が挙げられ、男性患者さん51名中37名(72.5%)、女性患者さん80名中75名(93.8%)が喫煙者であったという結果(出典:橋本 喜夫ほか:臨皮60:633,2006)も見られています。
また、1日にたばこ15本以上などの一定量以上の喫煙により喉を傷め、風邪や扁桃腺炎などにかかりやすくなる場合、尋常性乾癬の発症に影響を与える可能性も考えられています。

非燃焼・加熱式タバコや電子タバコによる健康への影響は?


非燃焼・加熱式タバコや電子タバコにおいては、煙が出ない、煙が見えにくいことで、受動喫煙リスクが低いように思われる面もありますが、今までにも
・非燃焼・加熱式タバコの主流煙中に燃焼式タバコとほぼ同レベルのニコチンや揮発性化合物(アクロレイン、ホルムアルデヒド)、約 3 倍のアセナフテン(多芳香環炭化水素物)等の有害物質が含まれていること、が報告されており、
・ニコチン入り電子タバコ使用者から検出されるニコチン代謝物は、燃焼式タバコ使用者とほぼ同等量(80~200%)が検出される
タバコ特異的ニトロソアミンの尿中代謝物は燃焼式タバコ使用者の 1.5~4.2%、揮発性有害物質の代謝物は 20~60%程度と少なくなる、との結果も見られているものの、健康リスク評価に至る科学的証拠を得るに十分な段階ではなく、使用者、受動喫煙者ともに非燃焼・加熱式タバコや電子タバコの使用は推奨できない、との見解が2017年10月31日に、日本呼吸器学会により公表されています。
非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会の見解
https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf

喫煙者と非喫煙者の皮膚の状態における違い


喫煙者と非喫煙者では、喫煙者の方が皮膚角層の重層剥離量が多く、食事バランス、暴飲暴食、ストレス、睡眠不足、紫外線、冷暖房、年齢による影響と比較しても喫煙が影響し、角層細胞の形成に悪影響を及ぼす可能性が示唆されています。
健康な角質細胞が形成されない状態では、皮膚バリア機能が低下し角層からの水分蒸発が多くなり、角質水分量が減少します。そして角質細胞面積は小さくなって角層の重層剥離量が多くなり、皮膚が乾燥し、かさかさした状態になりやすくなります。

喫煙者における傾向~主にアレルギーの観点で
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3603

出典・参考:女性の肌状態と喫煙 ほか

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