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豆乳の代替となる食物例~牛乳、豆乳代替

2017.11.11

投稿者
クミタス

米粉と豆乳を使用してパウンドケーキをつくったことのある方もいらっしゃるかと思いますが、ふくらみよく、適度な柔らかさを出す上で、豆乳は牛乳の代替としてよく使用されています。

水の替わりに豆乳を使用すると、大豆に含まれるタンパク質であるGly m 6(11Sグロブリン)のグリシニン、Gly m 5(7Sグロブリン)のβ-コングリシニンの泡沫形成能等によって、膨化が良くなります。

大豆の主要アレルゲン
・Gly m 8  2Sグロブリン
ピーナッツの2Sアルブミンとのアミノ酸相同性は28~34%程度
・Gly m 5  7Sグロブリン(β-コングリシニン)
他の豆類とのアミノ酸相同性は50%程度
・Gly m 6  11Sグロブリン(グリシニン)
他の豆類とのアミノ酸相同性は50%程度
・Gly m 4  PR-10
花粉と関連した花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)の抗原である可能性が高い
・Gly m 1 LTP
大豆殻粉塵の吸入性アレルゲン
・Gly m 3 プロフィリン
・Gly m 7  種子特異的ビオチン化タンパク質
・Gly m 2 ディフェンシン

大豆以外の豆での比較では

大豆、豆乳にアレルギー症状のある方もいらっしゃいますが、大豆以外の豆を使用してパウンドケーキを焼いた場合、どのような出来上がりになるのでしょうか?

大豆、ささげ、大福豆、緑豆で比較し、各豆に乾燥重量の 7 倍量の水を
加えて2日間浸漬後、ミキサーで破砕し、遠心上清を豆抽出液とし、
米粉、オリーブオイル、豆類抽出液を加えてケーキを調製し、ケーキの比容積、テクスチャー、色調、クラム組織について比較したところ、

大福豆抽出液を使用したケーキの比容積は、水、ささげ抽出液、緑豆抽出液使用時よりも高値となり、大豆抽出液と同程度、
クラムの硬さは、大福豆抽出液、ささげ抽出液使用時と大豆抽出液使用時とが同程度、
クラストの色調は、大豆が最も焼き色が濃くなったが、クラムの色調に差は認められなかった、との試験結果も見られています。

大福豆はインゲンマメに分類され、同じ白色系に該当するものに、手亡豆(白いんげん豆)、白金時豆が挙げられます。大豆にアレルギー症状がある場合、共通するタンパク質がアレルゲンとなっていない場合は、大福豆にアレルギー症状が出現しない可能性もありますが、大福豆抽出液はお菓子焼成時などでの豆乳の代替として、活用し得る食物の1つとなるかもしれません。


出典・参考:豆類抽出液が米粉パウンドケーキの特性に与える影響
大豆たん白質の泡沫形成能を利用した 新規グルテンフリー米粉パンの開発

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