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小麦が使用される加工食品中の小麦含有量はどのくらいか? (2017.11.13更新)

2017.10.28

投稿者
クミタス

検査キットや検査環境によっても、検出結果に影響する面はありますが、加工食品中からタンパク質がどの程度検出されるか、今回は小麦タンパク質に関する調査結果からご紹介します。

​小麦タンパク質の検出値


●醤油のみに小麦が使用されている食品(製品)
醤油に含まれる小麦の含有量検出において、偽陰性となる可能性もありますが、製造者の異なる10製品すべてにおいて1μg/g未満(1ppm未満)
醤油に含有される小麦であれば食べられるという方も多いかと思いますが、1ppm未満と表示基準の10ppmより低い数値が見られています。

●小麦製品を製造する工場もしくは小麦製品と共通の設備で製造される食品(製品)~コンタミネーション
コンタミネーションでの小麦含有においては、菓子などで検査対象製品の中では、検出されても1ppm未満、10ppm未満の結果も多く見られていますが、
平成16年度~平成18年度に山口県内を流通する魚肉練り製品中の検査では16.5μg/g~25.6μg/g(16.5ppm~25.6ppm)、
東京都内のスーパーで販売された、同じ製造ラインで乳、小麦を使用しているかまぼこでの小麦タンパク質検出量は2.2ppm(2012年報告の調査結果)、
東京都内のスーパーで販売された、同じ工場内で卵、乳、小麦を使用している魚肉ソーセージでの小麦タンパク質検出量は48.5ppm(2012年報告の調査結果)、
など、魚肉練り製品において、製品により比較的高値の検査結果も見られています。

●香辛料中の小麦含有
香辛料は多糖類やポリフェノール類、これらの二次代謝産物などのPCR阻害物質を多量に含有し、DNA抽出時にこの阻害物質が十分に除去しきれない場合、PCRを強く阻害し検出に影響する面がありますが、香辛料においては小麦が混入する場合があり、10ppm超の小麦タンパク質が検出されることがあります。

●原材料の一部に小麦を含む製品(原材料一括表示内で「原材料の一部に小麦を含む」を表示している製品)
ほうれん草炒め(10.9μg/g)、れんこんきんぴら(2.6μg/g)、ひじき煮(1.5μg/g)、シュガーコーンアイス(シュガーコーン部で小麦を使用。>20μg/g)

●原材料に小麦を使用
コロッケ(>20μg/g)、シチューの素粉末(>20μg/g)、餃子(>20μg/g)、ふりかけ(>20μg/g)、フリーズドライ離乳食チャーハン(12μg/g)、八宝菜の素(2.8μg/g)、オニオンスープ(小麦使用コンソメを使用。12μg/g)など、小麦の使用量に応じ20ppm超使用されている場合もありますが、10ppm未満の場合もあります。
「原材料の一部に小麦を含む」と一括表示をする製品と、「マカロニ(小麦を含む)」などと個別表示をする製品とで、どちらかの表記の製品がより含有量が多いということではなく、個々の製品にて含有量に違いがあります。

●原材料に小麦不使用のアレルギー対応食品
原材料に小麦不使用で、工場内で小麦が使用されており、残留量低減のため洗浄を心がけてている“アレルギー対応製品”もありますが、小麦粉の代替にさごやしデンプン使用のアレルギー対応カレールーの例では、検出限界(0.78μg/g)未満との結果も見られています。


実際に摂食する段階で含有される量を把握できることが望ましいところですが、他の検査キット、検査方法での検査結果なども今後、ご紹介していきたいと思います。


出典・参考:加工食品及び小麦アレルギー代替食品中の特定原材料(小麦)の測定 「FASTKITエライザ小麦キットを使用」
粉末加工された香辛料中の特定原材料(小麦)の検出に関するPCR法の検討と実態調査 「FASTKITエライザ Ver.Ⅱ小麦キットを使用」
欄外注意喚起表記されている市販加工食品中 特定原材料タンパク質の含有量調査 「FASTKIT エライザ Ver.Ⅱシリーズを使用」

コンタミネーションで含まれる量はどの程度か?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/789

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