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重症アレルギーと経皮免疫療法

2017.10.14

投稿者
クミタス

経皮免疫療法(Epicutaneous immunotherapy:EPIT)は、食物抗原を装填したパッチ剤を皮膚に貼り付け、皮膚経由によりおこなう免疫療法になり、経口免疫療法、舌下免疫療法以外の選択肢となっていく可能性のある免疫療法であり、試験もなされています。

症状誘発閾値が牛乳1ml未満の重症牛乳アレルギー児8名(3~15歳)を対象に、1mgの濃縮ミルクタンパク質を装填した直径1cmのハイドロゲルパッチを12時間、連日貼り付け、経口負荷試験、血中特異的IgE抗体価を測定したところ、
8名中4名では症状誘発閾値の上昇、血中特異的IgE抗体価が減少し、経皮免疫療法から経口免疫療法への移行が可能になった、一方、4名においては血中特異的IgE抗体価の上昇、貼り付け部位に頻回の蕁麻疹が見られた、と報告しています。

貼り付ける皮膚の健康状態、貼付量、開始時期などによる影響なども考えられますが、全身性の副反応の出現頻度が低く良好な結果となる可能性もあり、経皮免疫療法は経口免疫療法の導入が困難な方、有効でない方への選択肢の1つになる可能性が考えられています。また、他抗原を含め新たな試験結果、効果面などもご紹介していきたいと思います。


皮膚に貼るパッチ剤での免疫療法とTレグ(制御性T細胞)活性化
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/1725

出典・参考:重症牛乳アレルギーに対する経皮免疫療法の探索的臨床研究(大阪大学大学院薬学研究科薬剤学  国立病院機構三重病院  コスメディ製薬)

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