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授乳期の摂取によりアレルギー発症に影響するか?

2017.09.27

投稿者
クミタス

離乳食期におけるピーナッツの早期導入、継続摂取によりピーナッツアレルギーの発症リスクを低減し得る示唆は今までにもなされていますが、授乳期において母親がピーナッツを摂取した場合に、児におけるピーナッツ抗原への感作への影響はどのような状況でしょうか?

1995 Canadian Asthma Primary Prevention Studyでの調査内容をもとに、1995年にウィニペグ、バンクーバーで生まれた342人の子供を対象に、母親が授乳期間中にピーナッツを摂取していた場合と摂取していない場合、また児自身が生後12か月内にピーナッツを摂取していた場合と摂取していない場合との比較で、7歳時点でのピーナッツの感作状況を皮膚プリックテストにて調べた結果の二次分析をおこなったところ

母親が母乳授乳中にピーナッツを摂取し、児自身が12か月までの間にピーナッツを摂取した群60人のうちピーナッツ抗原に感作していたのは1人(1.7%)
母親が母乳授乳中にピーナッツを摂取し、児自身が12か月までの間にピーナッツを摂取しなかった群139人のうち、ピーナッツ抗原に感作していたのは21人(15.1%)
母親が母乳授乳中にピーナッツを摂取せず、児自身が12か月までの間にピーナッツを摂取した群17人のうち、ピーナッツ抗原に感作していたのは3人(17.6%)
母親が母乳授乳中にピーナッツを摂取せず、児自身も12か月までの間にピーナッツを摂取しなかった群126人のうち、ピーナッツ抗原に感作していたのは7人(5.6%)

と、母親が児に母乳授乳中にピーナッツを摂取し、児自身が12か月までの間にピーナッツを摂取した群での感作率が最も低いとの結果を報告しています。

アレルゲンへの感作がいつからどの程度始まっているか、まだ明確になっていないところでもあり、母体において積極摂取、摂取制限をおこなうことによる有用性やデメリットについては様々な示唆を経て十分な証明がなされていく過程段階にあるところでもあります。
対照群の属性などにより結果が異なる可能性もあり、上記はあくまで一つの報告例で、現段階で結論づけられるものではありませんが、他の報告などもあり次第ご紹介していきたいと思います。

Reduced risk of peanut sensitization following exposure through breast-feeding and early peanut introduction

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