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中鎖脂肪酸について①

2014.09.21

投稿者
クミタス

飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の違い

飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の違いは、組成している炭素の状態で、二重、三重結合がないのが飽和脂肪酸、二重結合以上を持つのが不飽和脂肪酸になります。飽和脂肪酸は結合がないことで安定しており常温で固体であることが多く酸化しにくく、不飽和脂肪酸は不安定で液体であることが多く酸化しやすい性質があります。

長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸の違い

飽和脂肪酸の中では炭素数の違いで、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸にも分類されます。鎖長が短いと、分解されやすいといわれています。

飽和脂肪酸の中の長鎖脂肪酸は、ヤシ油、パーム油、牛脂、豚脂肪、バターに多く含まれ、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす原因になると言われてきました(飽和脂肪酸にも牛肉に含まれるステアリン酸のように、悪玉コレステロールを減らすものも見つかっています)。

中鎖脂肪酸は、ココナッツ油、ヤシ油に多く含まれ、長鎖脂肪酸よりエネルギーとして分解されやすく、体脂肪として蓄積されにくい性質を持ちます。

 

不飽和脂肪酸について

不飽和脂肪酸は二重結合を1つだけ持つものを一価不飽和脂肪酸、2つ以上持つものを多価不飽和脂肪酸と呼び、鎖のどの位置に二重結合があるかによって、オメガ3脂肪酸(n-3系)、オメガ6脂肪酸(n-6系)などに分かれます。3番目に結合があるのがオメガ3脂肪酸、6番目に結合があるのがオメガ6脂肪酸です。

一価不飽和脂肪酸は、オリーブ油、菜種油、牛脂、豚脂などに広く含まれ、血液中のコレステロールを減少させ、酸化しにくい性質があります。

多価不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸は、シソやエゴマにも含まれる必須脂肪酸のα-リノレン酸、そして魚類に多く含まれるEPA、DHAを指し、心疾患やアレルギーを予防する効果があるといわれていますが、酸化しやすいのが特徴です。

オメガ6脂肪酸は紅花油、ひまわり油、綿実油、コーン油、大豆油などに多く含まれるリノール酸、母乳に多く含まれるr-リノレン酸、レバー、卵白、さざえなどに含まれる必須脂肪酸のアラキドン酸が該当します。
 

​中鎖脂肪酸の利点

中鎖脂肪酸のエネルギーとして分解されやすく、体脂肪として蓄積されにくい性質は、小腸から直接門脈に入り、肝臓で分解される点にあり、長鎖脂肪酸に比べ

・消化管からの消化・吸収が3~4倍速い
・消化酵素や胆汁酸がなくても消化・吸収されやすい
・カルニチンがなくても分解でき、エネルギーとなる
・体内のタンパクや糖の分解を抑制する

特徴があります。

 

MCT(中鎖脂肪酸)商品へのニーズ

長鎖脂肪酸代謝異常症の方など様々な疾患に、効率よくエネルギー吸収をしたい手術後の方に、未熟児の栄養補給時において、MCT(中鎖脂肪酸)商品が存在しています。

また一方で、中鎖脂肪酸にはダイエット効果があると言われていますが、誰にでも効果的であるというわけではないという報告もあり、BMIが23以上で腹部脂肪がそれなりにある方向けであると言われています。

次号はMCT商品について、ココナッツオイルについてお送りします。

 

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