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妊娠中の母親の糖摂取量と児のアレルギーとの関係

2017.07.15

投稿者
クミタス

妊娠中に糖を多く摂取していた母親から生まれた子供において、アレルギー、アレルギー性喘息をより発症する傾向にあるのではないか? との示唆がなされています。

妊娠中の遊離糖の摂取状況(妊娠32週に実施のアンケートで推定)と、児が7歳~9歳時点で調べられた医師診断による喘息有無、喘鳴、湿疹、アトピー、IgE値、肺機能の状態に関する情報のあるn = 8956(1991年4月1日から1992年12月31日までが出産予定日で、親と子どものエイボン縦断研究(ALSPAC)が基)を対象に妊娠中の母親の糖摂取量と子供のアレルギー、アレルギー性喘息との関係を分析したイギリスでの研究では、砂糖摂取量が最も多い母親の20%において最も少ない母親の20%と比較すると、子供のアレルギーリスクは38%増(73%において、ダニ、ネコ、植物などの2種以上の抗原に陽性)、アレルギー性喘息においては2倍ほどとなっている点等を報告しています。

ここでの糖とは遊離糖を指し、単糖類(ブドウ糖・果糖等)、二糖類(しょ糖・食卓砂糖等)のことで、人が食品・飲料に添加する糖類、そして蜂蜜・シロップ・果汁・濃縮果汁中に天然に存在しているものになります。

糖摂取と湿疹または花粉症との関連は認められず、妊娠中の母親における糖摂取と喘息全体との関連はアレルギー、アレルギー性喘息との関連と比べて低く、本分析結果は子供自身の幼児期における糖摂取量による影響は低いとしています。

本分析は母親の糖摂取量が多いことが子供のアレルギー、アレルギー性喘息発症の原因となることの因果関係を証明するものではありませんが、今後、母親の糖摂取量を減らすことで、小児アレルギーとアレルギー性喘息を予防できるかどうか等も試験されるかもしれません。


出典・参考:Maternal intake of sugar during pregnancy and childhood respiratory and atopic outcomes

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