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薬剤性肺障害~自家製薬用酒が原因となることも

2017.07.14

投稿者
クミタス


薬を内服して、点滴投与により薬剤の効能以外で肺に予期しない有害な反応が生じることがあります。
一般的な肺炎と同様に薬剤性肺障害では、空咳、倦怠感、発熱、呼吸困難、胸痛(胸膜炎、胸水貯留)、喘鳴、血痰などの症状が、投与後数分以内に出現する場合もあれば、数年を経て出現するようになることもありますが、投与開始後2~3週間から2~3か月で発症する傾向が見られると言われています。

抗悪性腫瘍薬gefitinib(ゲフィニチブ)での薬剤性肺障害以外にも、leflunomide(レフルノミド)、bleomycin(ブレオマイシン)、bortezomib(ボルテゾミブ)、erlotinib(エルロチニブ)などでの肺障害において諸外国との比較で、日本人での発生頻度はより高く、急速進行性間質性肺炎の重症度などに違いがあり、日本人は薬剤性肺障害を比較的起こしやすく、致死的な肺障害の頻度が高いとも見られています。

医療用医薬以外にも漢方薬、市販薬、健康食品、サプリメントが原因となることも多く、今までには、葛根湯や大建中湯エキスでの報告も見られています。
イタドリとカリンの自家製薬用酒の摂取により血痰、両肺にすりガラス様陰影、胸水の貯留が認められ、薬剤リンパ球刺激試験でイタドリ、カリンに陽性を示した例など、自家製薬用酒が原因となることもあります。
漢方薬、市販薬、健康食品、サプリメントを継続的に摂取するようになってから呼吸器症状を自覚する場合は、受診できるのが望ましいでしょう。


出典・参考:自家製薬用酒が原因と考えられたびまん性肺胞出血を来した薬剤性肺障害の1例

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