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もやしアレルギー、緑豆アレルギー

2017.07.06

投稿者
クミタス

大豆、緑豆、ブラックマッペのもやし商品があり、特に緑豆もやしは多く流通していますが、もやしを摂食して口、唇、喉などの口腔粘膜に痒み、ピリピリ、イガイガ感、むくみといった口腔咽頭症状を主とし、ほかに嘔吐などのアレルギー症状が出現する花粉関連食物アレルギー症候群(PFAS)例が成人、小児においても見られています。

 

緑豆のアレルゲンと他食物へのアレルギーの可能性


Vig r 1:PR-10であり、シラカンバ花粉の主要抗原であるBet v 1関連タンパクと見られています
Vig r 6:シラカンバ花粉の主要抗原であるBet v 1関連タンパクとも見られ、Vig r 1との交差反応性についての示唆もあります。
Vig r 2:グロブリン
Vig r 4:アルブミン

緑豆のアレルゲンには上記が挙げられ、口腔咽頭症状においては、Vig r 1、Vig r 6の関与可能性があり、大豆の主要抗原の1つであるGly-m4と強い交差性があるとの示唆もあります。
もやしが原因と考えられる症状の経験のある女児2名、男児3名(12歳8か月~15歳6か月)では、5名とも口腔咽頭症状のみ、他の果物・野菜への口腔咽頭症状もあり、大豆、Gly-m4、ハンノキ花粉、スギ花粉とも特異的IgE陽性であった。また患者血清にもやし抽出液を添加し、Gly m 4 固相イムノキャップ法を用いて抑制試験を行ったところ、最高抑制率が 47.0-84.1%で、もやし抽出液の濃度に依存した抑制を認め、もやし抽出液において Gly m 4 に強い交差性を認めています。

もやしにアレルギー症状がある方において、リンゴ、キウイ、ヘーゼルナッツ、モモ、アーモンド、ネクタリン、ニンジン等においても症状出現が見られたとの報告もなされていますが、カバノキ科花粉に感作している方、花粉と関連した豆乳アレルギーの方、バラ科果物にアレルギー症状のある方において、もやしへのアレルギー症状出現例があり、特にGly-m4の特異的IgE抗体価が高くなる傾向が見られています。もやし における花粉関連食物アレルギー症候群(PFAS) の診断上において Gly m 4 が有用である可能性があり、また情報をアップデートしていきたいと思います。


出典・参考:もやしアレルギー患児5例の検討 
Vig r 6, the cytokinin-specific binding protein from mung bean (Vigna radiata) sprouts, cross-reacts with Bet v 1-related allergens and binds IgE from birch pollen allergic patients' sera.
緑豆もやし花粉関連食物 アレルギー症候群の診断 における Gly m 4 の有用性 ほか

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