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発汗への影響~ステロイド剤、保湿剤、ワセリン

2017.07.06

投稿者
クミタス

アトピー性皮膚炎においてかいた後の汗は、そのままにしておくと痒みを誘起することがあり、洗い流す等の対策が推奨されるところですが、発汗により角質の水分量が維持され保湿効果をもたらし、バリア機能保持に重要な役割を果たすと見られ、汗をかくこと自体の有用性が挙げられています。

アトピー性皮膚炎の患者さんにおいては発汗量が少ない方も少なくなく、発汗異常は炎症性皮膚疾患の発症因子ともなるとみられていますが、ステロイド剤や保湿剤、ワセリンを塗布する場合、その塗布剤によって発汗にどのような影響を与えているのでしょうか?

健常人前腕にワセリン(6mg/㎠)、ステロイド(6mg/㎠)、保湿剤(6mg/㎠、18mg/㎠)を14日間外用し、該当部位の角質水分量、発汗と皮溝形態の評価をおこなったところ、7日目の発汗滴数は塗布前と比較しワセリンで2.3倍、ステロイドで1.8倍、保湿剤で3.9倍、6倍に増加し、各種外用剤により不感発汗(意識しない発汗)を促進し、保湿剤では増量するにつれさらに皮溝における不感発汗を誘導した。
また一方で、ステロイド剤の発汗効果はワセリンにより抑制された例もあり、ワセリン、ステロイド剤では安静時の皮溝での不感発汗を抑制する場合がある示唆もなされています。

今後、他の報告などもご紹介していきたいと思いますが、比較的発汗しやすい外用剤を選択することにより、皮膚の状態のコントロールにつながる1つの因子となる可能性があるかもしれません。


出典・参考:ステロイド外用剤、保湿剤は発汗にどんな影響を与えるのか

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