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蚕のさなぎ〜昆虫食とアレルギー

2023.12.14

投稿者
クミタス

昆虫食とアレルギーについては以下にも掲載しておりますが
昆虫食とアレルギー
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/3534
国内外で蚕(カイコ)のさなぎを食用する地域があったり、蚕(カイコ)のさなぎを使用した食品が販売されています。今回は蚕(カイコ)のさなぎを摂食してアレルギー症状を生じたと考えられるケースを掲載します。
 
15歳女性。東南アジア在住時に蚕サナギの菓子を摂取していた。夕食にガパオライス、豚肉の炒め物、野菜サラダ、蚕サナギ菓子を摂取したところ、約4時間後に全身の蕁麻疹・口唇腫脹・腹痛・嘔気・呼吸困難感が出現したため救急外来を受診した。アナフィラキシーの診断でアドレナリン・抗ヒスタミン剤ステロイド剤により加療の後、精査目的で当科を受診した。
総IgE値 20IU/mL未満、特異的IgE値はヤケヒョウダニ 1.41UA/mL、エビ 1.33UA/mL、カニ 0.86UA/mL、ゴキブリ 0.54UA/mL を認めた。
被疑食品抽出液を用いた皮膚プリック試験を施行し、蚕サナギ菓子抽出液で膨疹径11mm x 9mm (ヒスタミン 5mmx5mm) と強陽性を呈し、蚕サナギ摂取によるアナフィラキシーと診断された(出典・参照:中川柚帆 前澤裕子 岩田有史 安井昌博 加藤広大 影山貴弘 目黑和行 岩本太郎 田中繁 須藤明 鈴木浩太郎 中島裕史 千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科 蚕サナギ菓子摂取によるアナフィラキシーの一例)。

養蚕業の方において蚕(カイコ)の体成分をアレルゲンとする呼吸器症状出現したケースなど以前から見られていますが、蚕(カイコ)サナギの摂取によるアナフィラキシーは国内での報告もあり、蚕(カイコ)サナギのアレルゲンとしては甲殻類の主要アレルゲンの1つであるトロポミオシンが該当し、甲殻類などとの交差反応性も示唆されています。他の報告、他の昆虫食とアレルギーについてもまた別途掲載したいと思います。

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