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どの程度の“微量”にアレルギー反応を示すのか?

2016.10.08

投稿者
クミタス


特定の食物にアレルギーがある場合でも、人によって微量では症状が出ない方もいれば、微量からも症状が出る方もいます。
また食物によっても症状を自覚する量は異なります。

微量に反応する場合、どの程度の量から症状出現の可能性があるのでしょうか?

「Allergen and allergy risk assessment, allergen management, and gaps in the European Food Information Regulation (FIR)」に記載の、過去文献からまとめられた見解では、症状を喚起する最低量として以下を挙げています。

食物アレルギーの方の中で1%の方に症状惹起する総タンパク質量
ピーナッツ 0.2mg  4ppm
卵 0.03mg  0.6ppm
牛乳 0.1mg  2ppm
ヘーゼルナッツ 0.1mg  2ppm

食物アレルギーの方の中で5%の方に症状惹起する総タンパク質量
大豆 1.0mg  20ppm
小麦 1.0mg 20ppm
カシューナッツ 2.0mg 40ppm
ごま 0.2mg  4ppm
えび 10.0mg  200ppm

上記からどの程度の食物の量に該当するかというと

ピーナッツ 0.2mg
ピーナッツ1粒のタンパク質量0.17gから換算するとピーナッツ1粒の1/869に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が1%の方にある

卵 0.03mg
卵1個60gあたりのタンパク質量約6gから換算すると卵1個の1/200000に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が1%の方にある

牛乳 0.1mg
牛乳100mlあたりのタンパク質量3.3gから換算すると牛乳0.03ml(0.031g)でもアレルギー症状を出現する可能性が1%の方にある

ヘーゼルナッツ 0.1mg
ヘーゼルナッツ1粒1.5gあたりのタンパク質量約0.2gから換算すると1粒の1/2000に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が1%の方にある

大豆 1.0mg
大豆1粒0.3gあたりのタンパク質量約0.1gから換算すると1粒の1/100に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある
豆乳であれば100mlあたりのタンパク質量平均4gから換算すると0.025mlに相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある

小麦 1.0mg
薄力粉100gあたりタンパク質量8gから換算すると薄力粉0.0125gに相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある

カシューナッツ 2.0mg
カシューナッツ100gあたりタンパク質量19.8gから0.01g(1粒の1/150)に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある

ごま 0.2mg
ごま1粒3mgあたりタンパク質量0.59mgから1粒の1/3に相当する量でもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある

えび 10.0mg
えびの種類によっても異なりますが車エビ10gあたりタンパク質量2.16gから換算すると0.046gのえびでもアレルギー症状を出現する可能性が5%の方にある

また同文書内では試験された製品の5%-18%において表示していないアレルゲンが検出された、との記述もあります。

過去報告例を元にした1つの見解ではありますが、4ppm未満でもアレルギー症状出現する方が、その食物にアレルギー症状のある方の1%程において存在する可能性を視野に、特に乳幼児、子供が摂取する機会の多い食品、グルテンフリーなど原材料に不使用であることを表記している商品、原材料で使用はしていないがコンタミネーションとして特定原材料7品目などを含む食品においては、製品中に実際にどの程度含有(残留)しているのか、調べられ表記されることも望ましいでしょう。


出典・参照
Allergen and allergy risk assessment, allergen management, and gaps in the European Food Information Regulation (FIR)
https://www.researchgate.net/profile/Imke_Reese/publication/283941164_Allergen_and_allergy_risk_assessment_allergen_management_and_gaps_in_the_European_Food_Information_Regulation_FIR/links/5746aadc08ae9f741b431cc4.pdf?origin=publication_list

EAACI Food Allergy and Anaphylaxis Guidelines. Protecting consumers with food allergies: understanding food consumption, meeting regulations and identifying unmet needs

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