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血管性浮腫とは

2016.08.17

投稿者
クミタス

食物を摂取した後、服用後に顔、唇、まぶた、舌、喉が腫れるということを経験したことがある方もいらっしゃるかと思います。
時間経過とともに消えていきますが、数日経ってようやく腫れが引いてきた等、3日ほど続くことの多い血管性浮腫ですが、何が起こっているのでしょうか?

血管性浮腫はどういうものか?


蕁麻疹は真皮上層の浮腫になりますが、血管性浮腫は皮膚や粘膜の深部におこる浮腫で、浮腫に痒みや痛みはないか、あってもそれほど強くはないことが多く、一般的なむくみと違い、腫れている部分を押してもへこまないことが多い特徴があります。
この浮腫は消化管に生じることもあり、その場合、吐気、腹痛、下痢などの症状が出現します。
特に気道で浮腫が生じると気道が狭窄、閉塞し喉の閉そく感、話しづらい、咳が出る、呼吸苦、呼吸困難に至ることがあるため、注意が必要になります。

血管性浮腫のタイプ


血管性浮腫は、アレルギー性血管性浮腫、遺伝性血管性浮腫(HAE)、後天性血管性浮腫、アンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管性浮腫、物理的刺激による血管性浮腫、好酸球増多をともなう好酸球性血管性浮腫、原因が特定しにくい特発性血管性浮腫のタイプが挙げられています。

C1-インヒビター欠損による遺伝性血管性浮腫(HAE)においては、小児期、思春期から兆候が見られる傾向にある一方、HAE以外の血管性浮腫においては、成人期からの症状出現が多い傾向にあると考えられています。

呼吸に問題がある場合は注意


食物を摂取した後2時間内に顔や唇、まぶた、喉が腫れている場合は、アレルギー性の血管性浮腫である可能性があります。
アレルギー性の血管性浮腫においては蕁麻疹を伴うことが多いとみられています。
降圧剤の1つであるアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)を摂取した際に血管性浮腫をおこすことがあり、ほかにアスピリン、(アスピリンもNSAIDsに含まれますが)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、経口避妊薬(ピル、エストロゲン)などにより誘発される可能性があります。

皮膚症状があまりなく消化管に浮腫があり強い腹痛を感じるケースもありますが、特に息苦しさを感じる場合、声がかすれてきた場合、ヒューヒュー、ゼーゼーといった喘鳴、喘息発作のような音がする場合など、呼吸に異常が見られる場合は速やかに受診できるようにしましょう。


出展・参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管性浮腫(血管神経性浮腫)厚生労働省
蕁麻疹診療ガイドライン 2011年
ほか

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