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薬剤によるアレルギー、薬疹とは?

2016.06.24

投稿者
クミタス

薬剤の摂取後に不調になることがあります。ただ、その病気の症状や合併する症状が表れている場合もあり、薬剤が直接の原因とは限らないのですが、薬が要因と考えられるアレルギー性反応として、薬疹、アナフィラキシーなどがおこることがあります。
薬疹にはアレルギー性以外と考えられる反応も含まれますが、重症例として、薬剤性過敏症、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症などがあり、全身症状もおこすことがあります。

薬剤によるアレルギー


薬剤を摂取し発疹が出た場合、薬の副作用、複数薬剤間の相互作用、過剰投与による反応、蓄積作用なども挙げられますが、アレルギー性の反応としては、以下などのタイプが考えられています。
・IgEを介して、薬剤内の抗原に曝露した後、2時間内にじんましんや咳、下痢、アナフィラキシーショックなどがおこる即時型アレルギー反応
・溶血性貧血、血小板減少をおこしたり、紫斑型薬疹がみられる
・血管炎をおこす
・紅班丘疹型薬疹など薬疹をおこす

即時型アレルギー反応を示したとされる報告がある薬剤には、セフェム系抗菌薬、キノロン系抗菌薬、解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンなどがあります。
また薬剤のカプセルに使用されるゼラチンや、薬剤内に使用される乳や卵、小麦といった成分へのアレルギー反応を示すこともあります。

薬疹について


薬疹は摂取した薬剤やその代謝産物により誘発される皮膚、粘膜の発疹で、薬剤性過敏症など重症の薬疹をおこす可能性がある薬剤として挙げられるものに以下などがあります。
抗てんかん薬
カルバマゼピン(テグレトール)、フェニトイン(アレビアチン)、ゾニサミド(エクセグラン)、ラモトリギン(ラミクタール)、バルプロ酸ナトリウム(デパケン)、フェノバルビタール(フェノバール)

痛風治療薬
アロプリノール(ザイロリック、アロシトール)
⇒腎機能障害の程度が強いことが多い。

サルファ剤
サラゾスルファピリジン(サラゾピリン/潰瘍性大腸炎、アザルフィジン/抗リウマチ薬
ジアフェニルスルホン(レクチゾール/抗ハンセン病薬、皮膚疾患治療薬、プロトゲン)
⇒黄疸の程度が強いことが多い。

不整脈治療薬
メキシレチン(メキシチール)

抗生物質
ミノサイクリン(ミノマイシン)

血管拡張薬
ジルチアゼム(ベルベッサー)

消炎鎮痛薬
ピロキシカム(バキソ)
など

薬剤性過敏症においては、全身の皮膚に赤い斑点や皮膚の広範囲において赤くなる、口腔内や口唇に軽度のびらんができることがある、、高熱(38℃以上)、のどの痛み、全身のリンパ節(首、わきの下、股の付け根など)のはれ、全身がだるい、食欲が出ない、肝機能障害などが起こることがあります。

また、原因となる薬剤を中止した後も何週間も続き、軽快するまで 1カ月以上の経過を要するなど長引く傾向があります。
そして、薬剤摂取後、2週間以上など時間が経ってから発症することが多いことから、薬剤が原因であることに気付きにくい面もあります。

目薬にも


薬剤といった際に、服用薬を想起することも多いかと思いますが、注射薬、点滴、また目薬も薬剤になります。キノロン系抗菌薬点眼によりアナフィラキシーをおこした例もありますので、薬剤摂取をしたかどうか思い出す際には目薬も振り返られると良いかと思います。

「なりやすい方」の可能性


またアロプリノールによる薬剤性過敏症を含む重症薬疹患者の51例全例で、遺伝子多型の一つである HLA-B*5801 が検出された、との報告があり、重症な薬疹をおこしやすい体質、遺伝子レベルでの変異がある可能性があります。

今後より研究が進むことで、リスクの高い方において、重症薬疹をおこしやすい薬剤でない薬剤を選択できるようになるかもしれません。

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