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「原材料の一部に○○を含む」の場合、どの程度含んでいるのか?

2016.04.13

投稿者
クミタス

食品の原材料一括表示では原材料情報の末尾に、「原材料の一部に○○を含む」、原材料の個別表示では「醤油(小麦を含む)」などと表記されることがよくあります。菓子、パン、めん、おかず、ふりかけ、ドレッシングなど幅広い商品において、乳化剤が大豆由来である、醤油に小麦が使用されている、加水分解物の原料が小麦である、エキスに小麦が使用されているなどが理由で表記されていますが、「原材料の一部に大豆を含む」、「醤油(小麦を含む)」、「原材料の一部に小麦を含む」と表記されている場合、どの程度の量の大豆、小麦が含まれているのでしょうか?

コンタミネーションの場合


米菓、スナック菓子、ボーロ菓子、冷凍食品(和食惣菜、やきとり、牛丼の具、中華おかず、麺料理、スープ、フライドポテト)、中華レトルト、煮豆、漬物、つくだ煮、ポン酢、アイスの商品45種内で

原材料に小麦を使用していないが、同一工場内、共通の設備にて小麦を含む製品を製造している商品9種においては、小麦の検出はすべて1μg/g未満または不検出(検出限界以下)との測定結果が報告されています。

醤油に使用される小麦の場合


「醤油(小麦を含む)」、「粉末醤油(小麦を含む)」と、醤油、粉末醤油に使用される小麦以外では小麦を使用していない商品10種においては、すべて小麦の検出は1μg/g未満または不検出(検出限界以下)であり、製造者による差異はなかった、

「原材料の一部に小麦を含む」、「△△(小麦を含む)」の場合


「原材料の一部に小麦を含む」、醤油以外で「△△(小麦を含む)」と表示される商品26種中、1μg/g未満または不検出(検出限界以下)が計61.5%(16種)、1μg/g以上~2μg/g未満が19.2%(5種)、2μg/g以上~3μg/g未満が7.7%(2種)、3μg/g以上が11.5%(3種)となっています。

26種には、チキンエキスパウダー(小麦含む)、ホタテエキスパウダー、たん白加水分解物(小麦含む)、コンソメ(小麦含む)と表示されている商品も含まれ、測定対象商品において、コンソメ(小麦含む)は1.6μg/g、チキンエキスパウダー(小麦含む)、ホタテエキスパウダー、たん白加水分解物(小麦含む)は1μg/g未満または不検出(検出限界以下)となっています。

3μg/g以上の内訳として、マカロニ(小麦を含む)が20μg/g超、アイスのシュガーコーンに小麦が使用されている商品で20μg/g(=20ppm)超となっており、添加物の由来原料としてではなく、主要な原材料の原料として使用されている場合で小麦検出量がそれなりに多くみられるのは妥当である一方、惣菜数種がパッケージされた冷凍食品内の1種である、ほうれん草炒めに10.9μg/g検出されており、製造者では原因不明とのコメントもみられています。


原材料表示においては、最終製品の中に残存する特定原材料が10μg/g(=10ppm)以上の場合は、表示が必要になり、コンタミネーションにおいても特定原材料が10μg/g(=10ppm)以上検出される場合においては、表示が必要になります。

「原材料の一部に小麦を含む」、醤油以外で「△△(小麦を含む)」と表示される商品においても、主要な原材料の原料として使用される場合を除くと、醤油に使用される小麦と同程度の1μg/g未満または不検出であるレベルが約7割、それ以上の場合でも3μg/gまでであることがほとんどであるとも言え、表示が必要になる10μg/g(=10ppm)よりも低いレベルにおいても、「原材料の一部に小麦を含む」、「△△(小麦を含む)」と表示されていると言えます。

尚、特定原材料7品目、表示推奨20品目の食物アレルゲン検査においてはELISA法によるスクリーニング検査がとられています。
上記測定結果は日本ハム社製FASTKITエライザ小麦測定キットを使用してのELISA法での検出になりますが、他社製を含め交差反応性などで検査対象食物以外に反応して陽性となる偽陽性、含まれていても陰性となる偽陰性になりやすい食物もあります。
そのため、上記は参考値ではあり、また商品差はありますが、微量に反応する方においても参考にいただければと思います。


出典・参考:加工食品及び小麦アレルギー代替食品中の特定原材料(小麦)の測定

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