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アトピー性皮膚炎との鑑別

2024.02.20

投稿者
クミタス

アトピー性皮膚炎は増悪と鎮静を繰り返す、掻痒のある湿疹を主病変とする疾患で、患者さんの多くはアトピー素因を持つと考えられています。
アトピー素因とは?
https://www.kumitasu.com/contents/hyoji/4544 
アトピー性皮膚炎以外にも慢性的な掻痒のある皮疹を伴う疾患はあり、合併することもあります。

⚫︎アトピー性皮膚炎との鑑別が必要になることがある疾患例(アトピー性皮膚炎と合併することもあります)
接触皮膚炎、手湿疹、脂漏性皮膚炎、皮膚リンパ腫、単純性痒疹、乾癬、疥癬、免疫不全による疾患、汗疹、膠原病(SLE、皮膚筋炎)、魚鱗癬、ネザートン症候群、皮脂欠乏性湿疹など

以下の報告では、
7歳女児。若年性皮膚筋炎 (JDM) の診断の1年前より掻痒のある湿疹があり、ステロイド外用薬使用するも改善なし。若年性皮膚筋炎 (JDM)診断の3か月前よりしゃがむことができず、大腿と腓腹部の痛みがあり、1か月前より手指関節腫脹あり、若年性特発性関節炎の疑いで前医より紹介となった。両側肘関節・膝関節・足関節の屈側に掻破痕伴う湿疹あり、またヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、後爪郭の毛細血管拡張、ショールサインが見られた。MRIにて大腿に筋膜炎所見あり、抗TIF1y 抗体陽性であり、若年性皮膚筋炎 (JDM)と診断された(出典・参照:藤田雄治 鈴木翔太郎 佐藤恵美 森智史 松下貴史 吉原重美 獨協医科大学医学部小児科学 聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科 獨協医科大学医学部皮膚科学講座 金沢大学医薬保健研究域医学系皮膚科学 アトピー性皮膚炎と診断されていた抗 TIF1y 抗体陽性若年性皮膚筋炎の1例)。
アトピー性皮膚炎と、16歳未満で発症し特徴的な皮疹と対称的筋力低下を主症状とする慢性炎症性疾患である若年性皮膚筋炎 (JDM)との鑑別が必要、との示唆がなされています。

また他の疾患に関しても掲載したいと思います。

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